仕事ができる人と言うのは、自分の能力を、自分の思った方向に発揮する人ではありません。
なぜなら、自分自身では正しいことをきちんとやっていると思い込んでいても、それを評価する人が同じように感じるとは限らないからです。
仕事の出来を評価するのは、自分ではなくクライアントです。だから、自分のクライアントが求める成果を提供しなければ意味が無いのです。これを忘れてはいけません。
では、仕事におけるクライアントとは誰なのでしょうか?
自分でビジネスを展開している経営者や自営業者にとってのクライアントとは、当然のことながらお客様です。お客様にとって価値のある商品・サービスを提供することができなければ、ビジネスとして成り立ちません。
一方、会社に所属して組織で仕事をしているサラリーマン(男女問わず)のクライアントは、上司です。いくら取引先やお客様に評価されたとしても、最終的な人事評価をするのは上司だからです。
サラリーマンとして出世していく人は、誰が本当のクライアントかをわかっている人です。その人に対し、求められるものを的確に提供できる能力が評価されるのです。
これこそ「サラリーマン道」の極みと言うことができるでしょう。
と、わかったようなことを書きましたが、私には残念ながらこのサラリーマンとしての道を極める能力はありませんでした。
世の中にとって正しいこと、お客様にとって最良と思われる事を優先してしまう。これではクライアントである上司からの高い評価は得られません。
新橋の居酒屋には、未だに飲みながら「上司はわかっていない」と、くだを巻いているサラリーマンがいるのかもしれません。わかっていないのは、上司では無く、クライアントのニーズを汲み取れていない自分自身なのです。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年3月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。