サラリーマンのクライアントは「お客様ではなく上司」

仕事ができる人と言うのは、自分の能力を、自分の思った方向に発揮する人ではありません。

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なぜなら、自分自身では正しいことをきちんとやっていると思い込んでいても、それを評価する人が同じように感じるとは限らないからです。

仕事の出来を評価するのは、自分ではなくクライアントです。だから、自分のクライアントが求める成果を提供しなければ意味が無いのです。これを忘れてはいけません。

では、仕事におけるクライアントとは誰なのでしょうか?

自分でビジネスを展開している経営者や自営業者にとってのクライアントとは、当然のことながらお客様です。お客様にとって価値のある商品・サービスを提供することができなければ、ビジネスとして成り立ちません。

一方、会社に所属して組織で仕事をしているサラリーマン(男女問わず)のクライアントは、上司です。いくら取引先やお客様に評価されたとしても、最終的な人事評価をするのは上司だからです。

サラリーマンとして出世していく人は、誰が本当のクライアントかをわかっている人です。その人に対し、求められるものを的確に提供できる能力が評価されるのです。

これこそ「サラリーマン道」の極みと言うことができるでしょう。

と、わかったようなことを書きましたが、私には残念ながらこのサラリーマンとしての道を極める能力はありませんでした。

世の中にとって正しいこと、お客様にとって最良と思われる事を優先してしまう。これではクライアントである上司からの高い評価は得られません。

新橋の居酒屋には、未だに飲みながら「上司はわかっていない」と、くだを巻いているサラリーマンがいるのかもしれません。わかっていないのは、上司では無く、クライアントのニーズを汲み取れていない自分自身なのです。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年3月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。