毎日書いていて飽きましたけど、本日はマーケティング的に大事な「意識調査の読み方」についてちょうどいい材料がありましたのでそれで解説したいと思います。
自分の意図に合わないと「改竄」というのは愚の骨頂
以前、ブログに書いたテーマですが、たとえば政権支持率を朝日新聞と読売新聞が発表すると、大きく違ったりするわけです。
もっとも馬鹿な人 「新聞社が改竄している」
記者ひとりが改竄することはないとは言えなくても、新聞社として世論調査の数字を改竄とかやるわけがない。陰謀論はバカの証拠です。
ちょっと馬鹿な人 「設問の仕方を変えている」
これは一見、ありそうかなと思います。しかし実際に質問を見てから言わない時点で思い込みのちょいバカです。自分でファクトチェックすればいいのに!!
ひとつひとつの質問を比較すると、それほどニュアンスが違わないものでも結果が大きく変わっているものがあることがわかります。
そこで私が出した仮説がコレでした。
実はあとで新聞記者の皆さんに聞いたら誰もがその通りと思いますと言っていたので安心しました。要は「××新聞です」というと「お前の新聞に答えるわけないだろ、ガチャン」という層がけっこういるわけです。これは記者さんたちも同じで普段から「××新聞です」と名乗ると、「テメーの新聞なんかの取材に応じないよ」というのが一定数いるのだろう。ちなみにわたしは赤旗でも取材には応じます(来ないだろうが)。
どうして緊急事態宣言延長に賛成がこんなにいるの?
さて、わたしのブログの読者であれば、緊急事態宣言そのものになんら根拠がないのがおわかり頂けていると思います。
人の動きと感染拡大は、収束期にはまったく相関関係がないのです。これはもう明らか。
それどころか東京の発症者ピークは1/5だから感染のピークは年末。GoTo停止して家に籠もらせて家庭内感染を爆発させてピークを後ろにずらすどころか前に持ってきて医療崩壊させ、たくさんの死者を出したのです。結果、前倒しされてピークアウトしてしまった。これならなにもしないでGoToやっていたほうがゆっくりとピークに達したはずだし、ピークの山も小さくなりました。ただしもっと長くかかったはず。
さらには「若者から高齢者にうつす」だの、全部嘘八百の単なる感想に過ぎなかった。その緊急事態宣言を延長するとはまさかここまでバカなのと思った人も多いでしょう。しかし現実にはネットではもっともリテラシーが低いYahoo!ニュースの民は
と、64%が賛成。
テレビでは番組でアンケートを採ったところ、80%が賛成と報道していた番組もありました。まあ実際には東京都のデータでは
陽性率は昨年から通して最も低い3%前半まで落ちていて、これより低かったのは昨年5月下旬~6月中旬の1ヶ月ほどしかないわけです。1年を12で割って下から2番目くらいの低さなんだからこれ以上はそんなに下がるわけがない。検査数によって上下するだけ。昨年の6月は検査数がいまの1/5とかだったので新規陽性者が少なく見えただけです。だから150人目標とか言うといままでにあり得ない陽性率にならないと実現しない。東京都庁はそんな計算もできないらしい。
どんな人たちが延長に賛成したのか
こちらはテレビでやってたやつ。
母数が少ないので正確とは言えないが、収入が安定している公務員が圧倒的に延長を支持するのが面白い。よくいわれているのがいままで社会で落ちこぼれてきたような人たち、学校にいきたくない学生などは、一緒にお前たちも地獄に堕ちろと永遠に自粛を望むらしいがそれは統計に出てこない。
で、面白いのを見つけました。
みなさん、医療体制が心配なのではなく、他人に感染させるのが怖いのでもなく、ただただ自分の身が心配なのでした。www
そして全性年代で9割以上が「2021年2月7日で予定通り終わらない」と回答。なんと6月までずっと緊急事態宣言を続けろというのがかなりいるのですが・・・
感染予防の意識が低いほど、長く緊急事態宣言を出すべきと考える
という恐ろしい結果が見て取れます。つまり、自分はたいして感染予防はしてないけど派緊急事態宣言はずっと出してりゃいいんだよ的な・・・死ね!!
本題とは関係無いのですが、面白いのが
高齢者は若者が感染予防できていないと思っているが
若者は逆に高齢者こそしていないと考えている
ということです。自分はこの高齢者の感覚は多分にテレビのバイアスがかかっていて冷静なのは若者の方だと思います。
どのような理由で緊急事態宣言を延長して欲しいと考えるのか
東京都が調査をしていました。5400人を超えるのでかなり正確です。
年齢配分も均等です。
で、これが回答。これでどうして8割以上が緊急事態宣言延長に賛成なのかわかりますよ。
まずは年代に関係なく3割は完全コロナ脳で、一気に封じ込めると考えています。顕著なのは「医療体制が通常の状態に戻るまで、経済活動を抑制し、感染防止対策を優先しておこなうべき」が年代の上昇と共に増え、高齢者では半数近くに達することです。
つまり、高齢者であっても実は大多数はかなり真っ当に考えているのですが、その前提が
現在も医療体制が通常ではなく切迫していると誤認している
ことにあります。現実はこうです。
小池都知事がたった30%しかベッドが埋まっていないのに、「医療が逼迫している」を連呼し、医療に余裕ができましたとは絶対言わないので、テレビしか見ない層はいまだに医療が切迫していると信じている。だから延長に賛成している。
と言うことだと思います。したがってマスコミが「実はもう医療は切迫していないんですよ」と報道すると30%くらいはゼロコロナ目指して永遠に自粛しようですが、7割は経済活動を再開しようになるはずです。
で、わたしのTwitterアンケート。6500票なのでフォロワーよりずっと多くの人が投票してくれました。最後に組織票と思われるゼロコロナが増えましたが、ゼロコロナについてはリテラシーがそこそこ高い層は否定的だと思います。
編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2021年3月10日の記事より転載させていただきました