ワクチンめぐって国と都の連携のまずさは、こんなところにも

東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・40歳)です。

医療崩壊について反響多数

さて、週末に前回のブログを書いたわけですが、多くの方からご意見が届いております。

【参考】小池都政の考える「医療崩壊の定義」はなかった

この詳しい内容についてはブログやYouTubeで詳しく発信させて頂くべく纏めておりますが、15日の週は所属委員会の予算審議でドタバタしておりまして、手が回らない状態です。予算特別委員会は知事が出席した場で予算に関わる事が何でも聞けますが、予算審議はこの場だけではないんですね。私であれば公営企業委員会ですから水道局、下水道局、交通局の所管三局の予算について委員会で質疑を行います。

国と都の連携は?

という事で所管三局の準備もひと段落ついたので、こんな事も予算特別委員会で聞きましたというのをご紹介します。
現在、誰もが分かるようにワクチンが各区市町村にどうやって都道府県を通じて届くのが日本の大きな課題になっています。ところが、私が都内の様々な地域から情報を集めると、情報がバラバラでした。特に東京の様に23区があって市町村があるような広域自治体ですと情報の伝達やきめ細かいフォローが遅れることは致し方ない部分もありますが、今はコロナ禍のワクチンについてですから、そう言うわけにはいきません。

大体、都庁職員の説明でよく出てくるフレーズが「国の方針があるので」「国がどう考えているか」などの「国」を主語にした説明がなされます。その目詰まりを解消するのが私の使命だと思いまして、2月半ばから色々と調べておりました。すると、政府が各地域への情報の伝達を充実させる為に「自治体ワクチンのサポートチーム」を設置し、都道府県に代表者の派遣をお願いしていたのです。ちなみに、これは内閣府の藤井比早之副大臣が中心になって動いていました。案の定というか、東京は人をここに派遣していませんでした。

優秀な都庁職員のプライドか

よく、小池知事が国と対立しているという言動が報道されます。当然ご自身の政治的な野生の勘もあるでしょうが、都庁職員の国に対する対抗意識はこの1年間でよく見てきたのも事実です。厚労省の最高幹部職員が、都庁に来ては色々なお願いをしてきましたが、その都度、東京は東京の都合で動くという姿勢を崩さず、事が前に進まなかったのです。コロナ専用病院、コロナ患者のデータベース化。私が問題視した大きなテーマです。それ故、厚労族の国会議員も名指しで都の職員への苦情を私に伝えたりして来ていたんです。半ば投げやり的に。このワクチンリエゾン(連絡係)派遣も、そんなところかなと思いました。

でも、質問調整の過程で、これは重要だと言い続けて下記のような質問をしました。

川松・質問
ワクチン接種が現下の大課題です。2月半ばから、厚生労働省の予防接種室に自治体サポートチームがもうけられている。そこに多くの道府県からリエゾンが派遣され、厚労省の担当職員と一緒になって、ワクチン接種に関する市町村からの様々な質問への対応や市町村への照会事案の窓口となっているんです。東京都からはリエゾン派遣が行われていない。国の情報を瞬時に得られるチャンスであり、積極的に派遣すべきではないでしょうか?

健康危機管理担当局長・答弁
都は、地理的状況などから、厚生労働省と十分な連携が可能であると考えていたが、ワクチン確保の見通しなどの状況が刻々と変化していることなども踏まえ、来週15日から、職員の派遣を予定している。

つまり、今日からワクチンリエゾンが派遣される事になります。都の方針を厚労省や内閣官房に伝えたら、東京については諦めていたので、本当に有難いと言われたのです。

「医療を守る」と「雇用を守る」

こうやって、国と都の連携を現場レベルで改善していく事が「医療を守る」「雇用を守る」の両立に繋がるのだろうと考えています。そもそも、ワクチンリエゾンの話は重要な事でありながら隙間に埋もれていた感じです。ただ、上記にあるように「地理的状況」という答弁を入れた東京都の姿勢は本当に怒りです。新宿にある東京都庁に比べて、各都道府県東京事務所の地理的状況は格段に良いのですが、平気でこんな答弁を出されました。議場では突っ込みませんでしたが、新宿と霞ヶ関の物理的な距離も精神的な新宿側の距離を問題視したいです。

これにより、幾分かは連絡事項の充実はなされるでしょうが、多くの都民には、これが「国の施策」とか「都の施策」などは関係ありません。全て引っくるめて「公的施策」です。つまらない省庁間の解釈論に陥ると、それだけスピード感が損なわれます。引き続き推移を厳しく見守って参ります。