森元首相「女性というには年」発言は、意味不明 

森喜朗元首相は3月26日夜、東京都内で開かれた河村建夫元官房長官のパーティーで、衆院議員会館の河村氏事務所にいるベテラン女性秘書に触れ「河村さんの部屋に大変なおばちゃんがいる。女性と言うには、あまりにもお年だ」と述べたと報道があった。

これに対して「女性蔑視だ」との批判がネット上で集まっているが、私は先ずそれ以前に、森元首相の発言の意味が分からない。

森元首相は「女性と言うには、あまりにもお年だ」というが、例えば、女性が年をとったら、男性(のよう)になるのだろうか。その逆に、男性も年をとったら、女性(のよう)になるのだろうか(性転換しない限り)、それはあり得ない。それとも、風貌のことを言っているのであろうか。

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森元首相も、かなりご高齢だが、男性ではないのであろうか。前記発言は、森元首相一流の軽口・冗談なのかもしれないが、それにしても意味不明である。「冗談」にしても、面白くない。

森元首相をパーティに呼んでスピーチさせた河村氏の対応にも疑問符がつけられているが、河村氏と言えば、2017年に豊田真由子元衆院議員が自身の政策秘書に暴力行為をおこなったと報じられたことについて、「かわいそうだ。男性の衆院議員なら、あんなのはいっぱいいる。気持ちは分かる」と述べ擁護、後に徹回したことで知られている。

河村氏は他にも発言をして釈明・徹回することが度々なので「同じ穴の狢」とも言えようか。

それにしても驚くのは、元首相に対し、恐縮ではあるが、森元首相の失敗から学ぶという姿勢がない。また、このような発言をしたら、相手(ベテラン女性秘書)や、国民からどう思われるかという想像力が欠けているように思う。ベテラン女性秘書だって森元首相の発言を受けて「気にしていませんよ」と仮に言ったとしても、内心、傷ついているかもしれないではないか。

森元首相は、いわゆる「女性蔑視発言」で2月に五輪組織委会長を辞任したばかり。それからひと月ほどでまたこの意味不明の発言。森氏が首相だったことが信じられない。