(前回まで)
ところが、このような厳しい現状にあって、ボリチコス(Bolichicos)と呼ばれている富裕者がいる。そして彼らが利用する輸入高級品店ボデゴネス(Bodegones)が繁盛しているというのである。
ベネズエラの住民の96.3%が貧困者で、その内の80%が極貧困者とされている中で、残り3.7%がお金持ちということなのである。しかも、超富裕者だということ。
この富裕者というのはマドゥロ大統領を囲むオリガルキーと麻薬の密売業者である。彼らの一部が電子紙『Iberian Press』によって紹介されている。その一部を以下に紹介する。
国民議会野党リーダーだったヘンリー・ラモスの義弟フランシスコ・アゴスティノはベネズエラからヨーロッパまで飛行できる航続距離の飛行機を2機と石油タンカー6隻の所有者だ。
国民議会議長ホルヘ・ロドリゲスはジョギングするのに700ドルのスポーツシューズを履いている。
マドゥロ政権のナンバーツーディオスダド・カベーリョが富豪であるというのは良く知られたことだ。以前スペイン紙『ABC』はベネズエラ軍の上層部からの情報だとして、カベーリョが毎月凡そ50万ドル(6000万円)稼いでいることを報じた。勿論、麻薬の密売など違法な手段によるものであり、それもキャッシュで手にしているという。
またカラカスで投資家によってフェラリーのショップがオープンする。富裕層を対象にしたものだ。マドゥロも15万ドルした時計を披露したことがあったという。
マドゥロを囲む将校連中も同じように豊か生活を享受している。だから、彼らはこのままマドゥロ政権が続くことを望んでいるのである。