小室氏だけでなく眞子様にも責任:被害者扱いは眞子様に失礼

どうして眞子様が小室圭氏に拘泥されるのかという議論のなかで、あまりにも小室圭氏が批判されるので、「気の毒だ。私のせいで小室さんだけでなくお母様までひどくいわれるのも全てわたしのせいだ」と考えられているからではないだろうかと心配する人が多い。たしかに、そう言う感情がますます頑なに眞子様をさせている可能性はある。

眞子様 NHKより

私もそうだと思うし、すでに、3年前にアゴラでも『「可哀想」は眞子様に失礼』という記事を書いたこともある。

そもそも、私は小室圭氏よりはるかに眞子様のほうに反省すべきことが多いと思う。小室圭氏がいささか困ったタイプの人物であることは確かだ。母子で分不相応な生活をして、そのために、いろいろな人に甘言を弄してお金を引き出してきたし、学歴も職歴も方向が定まらず、試行錯誤と言うにはいい加減すぎ、いろいろな意味で誠実とは言い難い。

生活設計もなく分不相応な結婚をして、夫や親として責任もてそうもないいい加減な男だといわれても仕方ない。

しかし、玉の輿を狙うとか、逆玉をねらうことは、爽やかかどうかはともかく、道義的にそれほど悪いなどというコンセンサスは世の中にない。

もともと、逆玉指向だったらしい小室圭氏が、思いもかけぬ大魚に巡り会って、必死に心をつかむ努力をしたところでそれが悪いこととはいえまい。ロマンスの経緯はそれほど明らかになっていないが、もしかすると、熱心だったのは眞子様のほうだったかもしれないし、両殿下だってそれほどネガティブだったわけでもなさそうだ。

逆に眞子様は、内親王としていささか無責任に過ぎる。内親王に生まれたがゆえの責務というものをまったく否定してしまったら、君主制度というものは成り立たない。

また、国民から大事にされ、贅沢な生活をし、海外留学も含めた相当に恵まれた教育を受けたのであり、また、普通にいけば1億数千万円という成年皇族としての公務の退職金にしては高額な一時金ももらえるのである。

元皇族として品格ある生活を送り、黒田清子様などのように公的な活動を分担するのも、少なくとも道義的な義務であろうし、結婚に当たっても、それに支障のないような相手として欲しい。

もちろん、国民の声にも謙虚に耳を傾けたうえで、なお、愛に生きたいと仰ることを否定はできないが、それなら、小室氏との生活の将来像を与えられた条件のもとで、どうつくるかきっちり話し合って、記者会見でも開いて自分で国民に説明されるべきだ。

眞子様はいかにも深窓の令嬢風であることから、好感度は高かったが、29歳の成年女性を世間知らずの子供のように扱って、小室圭氏ばかり叩くのは、それこそが眞子様に対して失礼だし、また、問題解決の支障になっているのだと思う。

私がどうしてもこの結婚をしたいと仰るなら提案したい解決策

私が僭越ながら秋篠宮殿下や妃殿下に申し上げるとすれば、まず、官僚などでなく、優秀な弁護士や家族や結婚の問題についての熟練したプロをまわりに集めることだ。

優秀な弁護士というのは、法律家としてだけでなく、離婚問題や相続問題などに詳しい人で、両殿下にとっても眞子様にとっても信頼して話ができ、小室圭氏、その母親、彼らの弁護士などにも好感を与えて建設的な話のできるようなタイプの人だ。

そして、もちろん、この無理のある結婚を止めてくれれば一番いいが、どうしてもというなら、以下ののいずれかを選ぶことを基本にしたらどうか。

  1. 小室圭氏にたとえば最低3年くらいの生活基盤をつくる時間を与えて、それができたら結婚する。
  2. 不確かな夢を追わすに語学力などを生かして国際交流団体などにサラリーマンとして勤務し眞子様も仕事をし(宮内庁で公務の手伝いをするのも一考)慎ましやかに暮らす。

また、一時金については、年金方式などの形にするか、事実上、それに近い使い方しかできないようにすればいい。というのは、かなりの確率で起こりそうな経済的破綻をした場合に、一時金を支給してしまった以上は、追加的に秋篠宮家で面倒を見ることが難しいからだ。

さらに、400万円だけでなく、奨学金や現在の生活費など多額に上るとみられる小室氏の借財を一時金から返済するのは不適切で、それは自分で返せるような資金計画を示す必要があろう。

女性宮家制度については、小室圭氏を皇族ないし、それに準じたものとして扱わざるを得ず、また、そうならば、結婚そのものが皇室会議での同意事項になるから両立しないのではないか。

公務を手伝う皇女制度については、私は賛成だが、フルタイムを前提にするとすれば、たとえば、海外居住や健康状態などで公務ができない場合にも多額の給与を出し続けるのは不適切だ。

私の提案は、その時々の本人の状況に応じて、フルタイム(一般職最高の次官・学長並でも2000万円程度)から週に2日程度の非常勤、スポットで公務代行の三段階の制度にして、その時々の家庭状況などに合わせて選択できるようにしたらいいと思う。また、フルタイムなら希望があれば公務員住宅を使ってもらえる。

その場合は、皇位継承問題との絡みで同様の公務代行を旧宮家にも担ってもらったほうがいい。適任者は多い。

また、眞子様は、どっちにしても慎ましやかな庶民的な生活を送られる覚悟なら、いまから、外へ出て生活をされるほうがいいと思う。かつて、昭和天皇の長女の成子さまは、東久邇盛厚王との結婚に先立って、花嫁修業のために宮内庁職員の家で生活された前例もある。

されから、小室圭氏や母親の親戚としての皇室行事などへの参加は、国民の違和感がなくなってからにして欲しい。ヨーロッパでは、たとえば、オランダの王妃の父親は、結婚式にも戴冠式にも参加しないことを結婚の条件にされ、いまもそうだ。

また、宮内庁の方々にあっては、おかしいと思ったら諫言するのが仕事であり忠義だという意識を持って欲しい。称德女帝の希望をいれて、道鏡を天皇にしようとしたほうか、止めた和気清麻呂かどっちが忠臣なのかということだ(道鏡事件については、近著「日本人のための日中韓興亡史」にも書いた)。