コロナ・ワクチンの医療従事者優先という世界の非常識は許しがたい。こんな非常識な順位にしなかったら、これから2~4か月くらいのコロナ死者は半分くらいで済むと思う。お医者さんは、滅多にコロナで死なないが、高齢者は自宅にいたって家族からうつされるし、施設にいたら余計に危ない。
私が日本の医療界を批判すると、悪いのは医者でなく厚生労働省だ、という反論が医療界のみならず、お医者さんを心から尊敬している一般大衆からも出る。
しかし、それは霞ヶ関の行政の仕組みを知らない素人の考えだ。「官僚」というと、典型的には東京大学法学部を出た「事務官」がイメージされる。事務次官などの枢要ポストの多くを占めている。
ところがいわゆるキャリア官僚には、技官と呼ばれる技術系の人も多い。そして、技術的基準づくりは、彼らに実質的に委ねられている。
彼らは、その専門分野の技術者“マフィア”の一員だ。私はあえて、マフィアという言葉を使いたい。
たとえば、耐震偽装で話題になった建築基準などは、国土交通省の建築技官の独占領域で、彼らは学会や民間の建築家と密接な関係を保ち、人事交流もしながら、彼らの論理で基準を決める。
医療・薬事行政も同じで、医者でもある医系技官が主役だ。たとえば、23人の歓送会で糾弾された眞鍋馨老健局老人保健課長は、東北大学医学部を卒業したお医者さんだったし、尾身茂先生だって自治医大卒の医系技官だ。彼らはWHOに派遣されることもあって、世界の医者マフィアの一員でもある。
だから、医者が厚生労働省は頭が固いとか言っていても、基本的には医者仲間の内部対立だ。しかも、内部対立と言ってもガチンコではない。互いに自分のシマを守り、他人の専門分野には、ちょっかいなど出さないのである。
つまり、あのコロナ・ワクチンを自分たち医療関係者優先という世界的に見て非常識なことをしたのは、彼らのお手盛りなのである。しかも、そのプロセスが表に出ることは少ないのである。
厚労省の名、医系技官は約300名(庁舎内で現在160名程度)おり、プロパーと言われる試験を受けて入省した者が約200名、期間限定で大学医局や都道府県などから派遣されている交流組が約100名である。
医系技官のトップは、事務次官クラスの医務技監だ。現在は、福島靖正氏で熊本大学時代に、友人の宮崎美子の写真を撮って、それが篠山紀信がみつけて「週刊朝日」の表紙になって芸能界入りのきっかけになったという人だ。
1984年熊本大学医学部卒業。
1986年国立公衆衛生院専門課程修了。
1987年厚生省に異動。
1999年昭和大学博士(医学)の学位を取得
和歌山県次長、熊本市副市長などを経て、
2013年農林水産省大臣官房審議官。
2014年厚生労働省大臣官房審議官
2015年厚生労働省健康局長。
2017年成田空港検疫所長。
2018年国立保健医療科学院院長(新型コロナウイルス現地対応にあたる)
2020年7月厚生労働省医務技監
という経歴だ。
コロナ・ワクチンの問題については、詳細な説明をしているので参考にして欲しい。
また、本日から夕刊フジでコロナの特集を連載する。
①https://wanibooks-newscrunch.com/articles/-/1876
②https://wanibooks-newscrunch.com/articles/-/1877
③https://wanibooks-newscrunch.com/articles/-/1878
④https://wanibooks-newscrunch.com/articles/-/1879
さらに、私のメルマガでもより詳しく内幕につっこんだ記事を書いた。https://foomii.com/00237/2021041723420379063