東日本大震災から10年の節目に際し、菅総理、平沢復興大臣、被災3県知事がオンラインでメッセージを配信する「オンラインシンポジウム」を復興庁が実施しました。
復興庁 東日本大震災発災10年ポータルサイト
私は有識者の一人として参加しています。「現場の活動事例から得られた教訓・知見」が私に与えられたテーマであり、下記のような点を17分に渡って話しています。
東北での復興が、その後の全国での災害からの復興に教訓として伝わったのは大きく3つ。
- 1つ目は、産業復興の進化。元に戻す復旧にとどまらず、販路開拓や商品開発といった新たな取組が重要であることが東北で確立。2018年西日本豪雨でも、宇和島等で新しい販路確立などの復興支援が行われた
- 2つ目は、地元復興団体の必要性。各地で被災住民自らが復興団体をつくり、とりわけ被災者支援分野で活躍した。その後も、2019年房総半島台風などで地域復興団体が生まれ、復興支援を進めている
- 3つ目は、民間企業の重要性。釜石ではUBSグループが長期にわたって復興支援を支えたように、東北復興では数百の企業がそれぞれもつノウハウを活かし、会社をあげて復興支援を進めた。その後も、2020年九州豪雨災害でフィリップ モリス ジャパン社やヤフー社が支援を進めるなど、企業による復興支援が継続している。
民間の復興支援団体が必要な理由は3つ。
- 被災地の多くは大規模災害も復興も初めて経験する。そこで復興を進めるためのノウハウが必要だから。
- 被災地に復興を進める人材が不足しており、外部からの支援が必要だから。
- 被災地域だけで復興を考えると、しばしば過大な復興事業か組まれる。外部の客観的視点が必要だから。
より関心ある方は、youtubeを見て頂ければ幸いです(ゆっくり話したので1.5倍速ぐらいが丁度良いと思います)。
東北復興を機に、日本の復興支援のあり方は大きくアップデートされています。ただそのことを知る方は多くありません。今後も大災害の発生が予測される中、復興に関わるだろう行政、企業、NPOの皆さんにはぜひ理解を深めて頂ければと思います。RCFも復興BASEの運営等を通じて、引続き復興支援の広がりを支えていきます。
復興BASE
編集部より:この記事は、一般社団法人RCF 代表理事、藤沢烈氏の公式note 2021年4月20日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は藤沢氏のnoteをご覧ください。