心を養う

株式会社財界研究所より『心を養う』という本を上梓しました。本日より全国書店にて発売が開始されます。本書は「北尾吉孝日記」を再構成したもので、08年9月に上梓した第1巻『時局を洞察する』から数えて13巻目に当たります。

この日記自体は、07年4月12日よりツイッター的な形で執筆し始めており、本年14年目を迎えるわけですが、内容も様々な分野に拡大しています。

今回は、本書のタイトルを『心を養う』としました。このタイトルを見て読者の中には、どうやって心を養うのか具体的に知りたいと思われる方もいるでしょうから、その点について若干触れておきます。

結論から言えば佳書(かしょ)を読むことです。佳書とは、安岡正篤先生は次のように言われています――佳書とは、それを読むことによって、我々の呼吸・血液・体液を清くし、精神の鼓動を昴(たか)めたり、沈(おち)着かせたり、霊魂を神仏に近づけたりする書のことであります。

安岡先生の上記にあるような書は多くの人がこれまで読んだことがないと言われるかもしれませんので、これを私流に平たく言うと精神の糧になるような書ということです。もっと具体的に言うと人間的教養を豊かにする古典とか歴史・哲学の書物です。そうした佳書を味読することでその書のエッセンスを掴むのです。そしてそのエッセンスが自らの血や肉となるように知行合一的に日々の生活の中で実践していくのです。

佳書を読む以外でも心を養うことに大変役立つことは佳人の謦咳に接することですが、なかなかこれは難しいことです。その点佳書はいつでも手に執れます。

歴史・時間という篩にかかった東西の古典と一般的に呼ばれる書は、幸い沢山あり当たり外れはないと言えましょう。きっとそうした書を味読していけば、全人的な教養や人間学的意味における哲理・哲学が品性豊かな立派な人格形成に役立つはずです。

私のブログをお読みになり、もし得るところがあれば、血肉化し、皆様方の実際の日常生活の中でそれが行動に移されるようになれば、私として望外の喜びです。本書が読者の皆様の日々の修養の一助となれば、幸甚であります。


編集部より:この記事は、北尾吉孝氏のブログ「北尾吉孝日記」2021年4月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。