今週のつぶやき:緊急事態宣言とオリンピックほか

今週、私もバンクーバーでファイザーのワクチンを接種しました。何が驚いたかと言えばその段取りの良さ。予約時間数分前に前に来いというので会場に行くとすぐに20人ぐらいの同時刻予約者を集めて3分ほどのオリエンテーション。まるでディズニーの「カリブの海賊」に乗る感じ。その後、会場に入り、マスクは新しいものに強制交換、手の消毒も2回やり、飛行機の搭乗手続きのような感じで個別にチェックイン。健康保険証を出し、名刺大の接種カードを貰い、次にいよいよ接種。そのセクションは2-30人ぐらいが担当しており軽い問診のあと接種はものの1-2秒で終わり。あとは15分の症状変化を見る待合で時間を潰してエンド。入場から会場を去るまで所要時間30分以内。このスムーズさ、感動です。

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では今週のつぶやきをお送りします。

雇用統計が映し出すもの

アメリカの4月度の雇用統計が発表され26.6万人増で市場予想の100万人増からは程遠い結果となりました。株価的にはこれが「ワクチン効果」となり利上げが遠のいたと見たのでしょう、上昇しています。為替も円高に振れたので日本の株式市場にはやや逆風かも、です。その雇用統計、3月分も当初発表の91.6万人増から77万人増に下方修正。一体、何が起きているのでしょうか?

ズバリ、ミスマッチと「そんな賃金じゃ働かないよ」という潜在労働者の労働市場からの離脱とみています。離脱すれば計算上の母数から減るので失業率も悪化しません。アメリカの賃金上昇は尋常ではないのですが、背景は企業側に人が全く足りないのです。例えばアマゾンも時給3ドルアップ作戦をして必死の流出防止を図っています。(きつい仕事はすぐに辞めるのです。)カナダは5年に一度の国勢調査が始まっていますが、調査員募集のはがきが舞い込み、そこには時給17.8-21.8ドル(1600-1950円)。人が集まらないのが見え見えです。

変な話ですが北米だけ見ていると飴玉貰って裕福になった気になり、自分を「お高くする」人が増えてしまった気がします。これは非常に残念なことですが、私はバイデンさんの経済対策の大盤振る舞いが後でボディーブローのように効いてくると思います。アメリカやカナダの労働市場で「働く高齢者、動かない若者」というレッテルが貼られ、非白人がありがたがられるようになります。カナダは5月6日から9万人の新移民特別枠募集が始まりました。証明写真をとる人が長蛇の列を作っているようですがカナダでは労働力の源、アジア人パワーがさく裂しそうです。

緊急事態宣言とオリンピック

予想されていたとはいえ、まさか愛知と福岡が追加になり、まん延防止措置が8道県とむしろ「この指、とまれ」状態にすら見えます。なぜ収まらないのかわかりません。先日、日本のテレビである専門家が「大阪はもうピークアウトした。緊急事態宣言もいらない」と述べていたのですが残念ながらそうなっていません。これに限らず多くの専門家が様々な予想を述べたのですが、ほぼ全滅でした。

そんな中、IOCのバッハ会長が5月中旬の来日予定を取りやめるようです。ただ、それを報じる橋本聖子氏の歯切れの悪さには非難も出ています。一方、池江選手には五輪参加辞退を求める声があり、それに対して池江さんが「この暗い世の中をいち早く変えたい、そんな気持ちは皆さんと同じように強く持っています。ですが、それを選手個人に当てるのはとても苦しいです」と吐露しています。国内外で五輪中止の声が日増しに高まる中、バッハ会長の胸の内は何処にあるのでしょうか?

ちなみにバッハ会長が習近平氏と電話会談し、習氏が東京五輪を支持すると述べたとされます。これ、非常に穿った見方ですが、習氏としては北京五輪が控えている手前、東京が開催されなければ様々な理由をつけて北京の開催が危ぶまれることになる点は理解できます。ただ、バッハ会長もそこまで東京五輪開催に固執するのにやや違和感すら感じるのはもしかしたら違うところに理由があるのではないかという気がしないでもありません。

日韓の行方

日米韓会合、および日韓外相会合がロンドンで行われました。茂木外相と鄭義溶外相は電話も含め初めての接点。隣国同士で問題は山積しすぎて崩れ落ちているのに会談は20分。これ、菅首相とバイデン大統領の会談と同じ長さでこの短い時間で何の話ができるというのでしょうか?そもそも討議するという話ではなく目次の確認で終わったということです。政府間がこの状態ですからしばし両国の関係は見込みなしなのでしょう。

韓国が相変わらず執拗に迫るのが汚染水問題。ところが韓国政府が昨年秋に行ったタスクフォースの報告書には「有意味な影響はない」「ALPSの性能にも問題ない」「被爆の可能性は極めて小さい」と結論付けています。韓国原子力学会もその影響は「無視できる微々たるもの」と発表しているのに韓国メディアはそれを小さく事実のみ報じ、反対運動を大きく煽っています。韓国がコロナ禍で文政権への不満が鬱積し、日本がそのはけ口となっている感があります。

この状態でまともな議論などできるわけなく、アメリカも同国の情勢がとち狂っていることは100も承知です。多分ですが、一部の韓国人は気がついているのです、おかしいと。ただ、それを言うと世論が命を奪うほどのバッシングをします。中国文化大革命の際の紅衛兵と同じで「造反有理」「資本主義の犬を探せ」と同じスローガンが対日政策として起きているわけです。「親日の犬を探せ」と。文化大革命は10年で終わったという点では中国人は目覚めたわけですが、韓国人は果たして永遠の眠りについているのでしょうか?

後記

カナダの戦時中の日系人収用問題でBC州政府が2Mドル(約1億8000万円)を被害あった高齢者向けなどへ支援すると発表しました。これは一連の支援策の一部なのですがあるべき金額の100分の1だと思っています。収用する前の日系人が持っていたBC州の土地は尋常ではない規模で仮に収用されず、今でも所有していれば現在価値で何百億円何千億円以上の価値になっています。一方、この支援金を取り合う日系組織が相当数あるらしく最終的にもらえるのはいったいいくら、という話です。日本も安く見られたものです。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2021年5月8日の記事より転載させていただきました。

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会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。