憲法改正、“政治決着”に縛られず発議を

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11日、国民投票法改正案が衆院を通過した。憲法審査会での討議を見ていて、立憲民主党を筆頭とする、改憲反対野党の勝利に終わった感を強くした。改正案の修正で焦点となったのは、「今後3年を目途にCMや運動資金を規制する措置を行う」という点。自民と立民は合意したが、日本維新の会は反対した(原案には賛成)。

立民の腹はわかりすぎるほどわかっている。この文言を盾にし、「CM規制ができていないからダメだ」と言い募り、少なくとも3年間は改憲論議を封じるという狙いだ。これに自民党が乗ってしまった。現に改憲阻止派は今回の改正案を評価している。このことは、たとえば、ジャーナリストの尾中香尚里氏の論考を読んでもわかる(コチラを参照)。

結局、禍根を残したが、維新が自民・立民による極めて政治的な手打ちを乗り越え、議論を前に進めようと懸命に問題点を炙り出している姿は頼もしい。その様子は足立康史衆院議員の「あだチャン」をぜひご覧頂きたい。

翻って、世田谷区議会の企画総務委員会では、「国会における憲法論議の推進と広く国民的議論の喚起を求める要望書」の請願審査が行われ、可決。このほど、議長名で関係機関宛てに提出された(コチラを参照)。審査時の各派の態度は以下の通り。

採択(原案賛成) 自民、都民ファースト、無所属
趣旨採択(原案修正の余地を残し賛成) 公明、F行革(維新との会派)
継続審査(事実上の反対・廃案) 立民、新風(無所属会派)
※共産党は委員を出していない

委員会では各派の態度が分かれたため、継続審査とするか否かの採決が行われたが、賛成したのは立民と新風のみとなり、否決。結果は、賛成多数で趣旨採択となった。その後、委員を出していない会派からの意見徴収と文言の修正が行われ、提出された。

各地方議会でも、憲法論議を推進するよう求める意見書や要望書の提出がなされていると聞く。多くの国民は改憲の賛否を問わず、議論することを求めているはずだ。今後、国会の議論を注視していくが、議論回避のための不毛な“政治決着”が繰り返されるなら、政治不信を招来するに違いない。最後に、わが党の馬場伸幸幹事長の発言を戒めとしたい。