中韓という面倒な隣国たちとどう付き合うか

日本人のための日中韓興亡史』を題材にして、松田学先生と対談した。書いたものより歯切れが良くなって、わかりやすく好評だ。ぜひ、動画をご覧いただきたい。

特番『日本人のための日中韓興亡史とは?』ゲスト:歴史家・評論家 八幡和郎氏

この動画の主要なやりとりを松田先生が書き起こされ、独自の視点を書き加えられている。それを紹介し、さらに、松田先生のご意見に対して、私のコメントを添える。なお、要約については、松田先生がまとめられたものに、さらに私が加筆したものである。

松田学先生のイントロ

人にはそれぞれ性格があるように、国にはそれぞれ国民性がある。中国は面子を重んじるが、韓国は強いほうににつく。あれだけ反日をやってきた文在寅が最近は日本に擦り寄ったり、中国を向いているかと思ったら、米国のほうを見たり・・・。韓国には強く出て、左翼政権である限り相手にしないとして無視することが一番である。そうされることで喜びを感じる人たちのようだ。

では、中国は・・・?それを考える上で、日中関係と日韓関係だけでなく、中韓関係と日中韓関係を考えることが、日本の針路を考える参考になるだろう。

ただ、先日、私が中国の長年の友人に対し、「習近平政権がこんな横暴を繰り返していると中国は国際社会の中でやっていけなくなる、中国の友人として警告する」とメールしたところ、感謝の言葉が返ってきた。今は面子よりも、韓国に対するのと同様、中国に対しても強く出るべきときであるように思う。

それはさておき、八幡先生のお話は話として面白いですので、ぜひ、ご覧ください。

八幡和郎の発言の要約

日本人のための日中韓興亡史とは?』ゲスト:歴史家・評論家八幡和郎氏

日本人は日中関係や日韓関係は知っているが、中国と韓国との関係はあまり知らない。

これを知ると日本はどうしたらよいかが見えてくるだろう。

日中韓三国の関係はあまり聞かないと思う。ヨーロッパでは歴史的に、ベネルクス3国はフランスとドイツの対立を和らげることをしてきた。だから、EU本部はブリュッセルにある。

しかし、ここ2000年、韓国は、日中関係を悪くすることばかりしてきた。半島にある国家が「まぁまぁ」と関係を保ってくれれば、日中関係はもっとよかったはずだ。

だから、将来、東アジアの共同体が成立しても、韓国にブリュッセルのように中心機構など到底置こうとは考えないほうがよい。韓国はロシア、中国、日本を手玉に取ることで、状況を楽しむかもしれないが、何もいいことはない。

しかし、その結果として韓国はいつも股裂き状態になっている。北朝鮮との関係でもそうだ。

中国はアヘン戦争で屈服する形で開国し、日本はペリーに強要されて開国した。その後、西洋のような国として日本は存在してきた。

そして、コリアをせっかく国際法の原則が適用されるようにして、中国から独立させてやったのに、コリアの中で中国につこうとしたり、日本よりロシアのほうが強そうだとして、国王や指導的な政治家まで、外国勢力を引き込んだりする勢力がいて、結果、日露戦争が起こったりした。

韓国はいつもこうである。

国益と離れて指導者が自分の勢力のために外交をしてしまう。文在寅でも朴槿恵でもそれが続いている。

ともかく、支離滅裂である。そういう外交は止めて欲しいのだ。

コリアンはとても優れた資質も持った民族である。日本の長者番付でも在日の人が多いが、とくに、ベンチャー向いている。しかし、組織の歯車になるのは苦手なようだ。

中国人は面子を立ててやらないと何するかわからないが、面子を立てると物分かりがよく現実的で口ほどでない。

しかし、韓国は強い人になびく。これがいわゆる事大主義だ。

北の金与順は、文在寅が「子供のような幼児性」を示していると言ったが、それが文在寅には心地よいらしい。

鼻っ柱が強い女性からひどく云われてなんか気があるのではと勘違いする男がいるがあれだ。もちろん、女性だって強い男から強く迫られるのを好むひとだっている。人間にはそういう面がないわけでないが、あまり感心しない。

朴槿恵が習近平に接近していたが、そういうときでも、安倍さんには3回飯が出たのに、1回しか出なかった。それでもさほど怒らなかった。余計に習近平に対する尊敬が足りなかったのかと思い、下手に出る。

自分が現実に外交交渉やっていたときもそうであった。歴史をみても、中国は面子だけは立ててやって、韓国には強く出るのがいい。中国はそこをよく分かっているが、日本はわかっていない。

韓国とは喧嘩してこそ、仲良くなれるのだ。今の日本は中国にも韓国にも同じことやって、中国の機嫌は損なうし、韓国にはなめられている。

国民性に応じた付き合い方がある。

フランスとドイツでも同じことがある。ロシアはロシアで違う。ロシアでは人気のプーチンと会った人は、お前は男か、俺は男だ…まるで馬賊の世界である。また、トランプはカウボーイの世界だ。

日本の正しい立ち位置は、欧米とともに価値観をともにする先進国であることが第一であるべきだが、中国に対する理解者であるという立場も維持すべきだ。日中で欧米に対して告げ口競争すべきではない。

中国がいずれ米国を経済的に抜くだろう。その時、われわれ自由主義の価値観に中国を入れていくためには、日本がやはりいちばん理解者だと中国に思わせたほうがいい。

天安門のときはそうで日中関係は非常にうまくいきかけたのだが、その後の日本経済の不振から、欧米からも中国からも軽く見られるようになった。

中国の世界経済、日本経済への貢献はやはり大きい。リーマンのあと、世界経済が立ち直ったのは中国のおかげだ。

百円均一ショップで便利なものが買えるのがどれだけ日本に恩恵をもたらしているか。

とくに、日本の低所得者の生活は中国でもっている。西日本経済がどれだけ中国の観光客に依存しているか計り知れない。

ただ、中国に方向転換求めることを米独が怠ったのは残念だった。日本が欧米に、もう少し中郷を警戒しなくていいのかと言わねばならない時期があった。

しかし、習近平が野心をあらわにしてしまった。将来は民主主義になるつもりだという中国人もたくさんいるのに、それはしないと否定してしまった。

米国はオバマの途中で気が付いて方向転換した。ヨーロッパも少し遅れたが同様だった。だから、日本から中国の危険性を指摘する必要がなくなったのが現在の状況である。

中国からみると、欧米にすり寄ったら手のひら返された印象を持っている。それにひきかえ、日本は温かいという印象を持っている。

ウイグル、チベット、香港に対しても、米欧と路線を一つとしつつ、折り合いをつけるためには汗かきますよ、が日本の正しいポジション。

日本は米国と中国がおかしなことをやらないように、中国を自由と民主主義に導き、米国にもあまり無茶やるなと。

また、欧州と手を組んで米国が無茶やらないように釘を刺すのもいいことで、トランプのときはその無茶を抑制するために、欧州と手を組んだら、経済連携協定が実現した。トランプが暴れていたからうまくいったものだ。英国から空母まで来るようになった。

欧州も、中国や米国よりも日本のほうがものわかりがよい、となった。その欧州とも手を組んで、中国を良い方向に誘導すべし。

チベット、ウイグルについては、人権を守れとどんどん言えばよいが、中国のモノじゃないというのは反対である。国際法上は、中国になぜなったのかといえば、清朝は、モンゴル族と満州族と漢民族の合同帝国だ。モンゴル族が持っていたチベット、ウイグルがあり、それをそのまま袁世凱政権が引き継いだ。だから、国際法上は中国の領土で、中国が侵略したというのは、正しくない。

国際法の原則に基づかないものいいは、日本にとっても有害。たとえば、尖閣沖縄が日本なのは国際法上そうだからだ。日清戦争の前後の時期に、国際法に基づいて編入したというのが唯一の真実だ。歴史的にみてどうのこうのと言うと、水掛け論になって、向こうもいろいろ言い分が出てきてしまうが、国際法に基づく限り真実は明らかだ。

だから、私は中国人には、国際法上に基づいて話さないとチベット、ウイグルが中国の領土かどうか疑義が出てしまいますから、止めて方がいいというし、彼らもそれなりに納得する。国際法上の中国の主権を認めた上で、しかし、人権は守るべきだし、民族自決の運動も否定すべきでないというべきだ。

そもそも、ダライラマとて独立したいとは言っていない。自治を求めているだけだ。現実に変なことをさせない知恵が大事なのだ。欧米も中国のものではないとは言っていない。

松田学先生のコメント

・・・ある中国通が言うには、中国共産党は中国とは異なるし、習近平は中国共産党とは異なるということだ。八幡先生は面子とおっしゃいますが、人権問題でも領土領海問題でも安全保障問題でも、あんなことしている習近平の中国には、面子の立てようもないというのが実際のところではないだろうか。

八幡和郎の再コメント

中国では改革開放以来、経済的にはこれ以上ないくらい躍進した。一部の富裕層だけでなく人民の生活は飛躍的に向上し、自由の度合いもかなり改善している。中国共産党も習近平も中国で十分に支持されているなかで、成果を一方的に否定し、その面子を潰すことは、中国人を団結させるだけだ。

成果は評価しつつ、発展方向は民主化にあるというのが適当。戦前、欧米や中国が天皇陛下を攻撃したら、日本は大人しくなっただろうか?

また、そういった所で、説得力があまりないのは、日本自身の経済の低迷と、コロナ対策にみられるような、身勝手な振る舞いと政府への甘えしかしない国民の体たらく。日本が中国から見てうらやましい国でないと、中国人に民主主義は素晴らしいといっても説得力もない。

問題は日本人自身にある。