党首討論は共産党・志位委員長が一番良かった

2021年6月9日、首相と野党党首による党首討論が2年ぶりに開催された。どのような討論になるか半分期待、半分「いつものように、余り深みのある討論にならないだろうな」との諦めの気持ちでいた。今回の討論の動画を見て、残念ながら、後者の感想になってしまった。各党首の質問の時間は短いし、大した質疑応答もないし。、「あれなら、やらない方が良いのでは」とのいつもの感情が高まっただけであった。

日本共産党YouTubeより

しかし、その短い持ち時間のなかで、直球で一番まともで「多くの国民が聞いて欲しい」と思っていることを聞いてくれたのが、共産党の志位和夫委員長だったように私は思う。志位委員長は「今、命をリスクにさらしてまでオリンピックを開催しなければならない理由を答えてください」と質問したのだ。
それに対し、菅総理は、開催しなければいけない理由についての明言を避け「国民の命と安全を守るのは私の責務ですから、そうでなければできないということを私は申し上げているじゃないですか。守るのが私の責任であります。守れなくなったらやらない、これは当然だと思います。それが前提であると先般申し上げました」といつものフレーズを繰り返すばかり。
志位委員長が「なぜ開催するのか理由を聞いたけど、お答えがない」「国民の命よりも大事なものはないんです。日本国民の命を、私はギャンブルにかけるようなことは絶対にやるべきでない」と訴えても、とうとう明確な回答はなかった。
このような具体的な取り組みをしている、だから大丈夫なんだと堂々と言ってもらえたら、まだ納得するのだが、そうではなかったのが残念である。菅総理もそして志位委員長も「国民の命を守ること」を強調している。それは当然のことだ。しかし、五輪は世界から人間がやって来る。そうした人々の命も同時に守らなければいけないのではないか。
更に、五輪関係者らの帰国後にコロナを広めてしまうこと(つまり、五輪で関係者が感染すること)も防がなければならないはずだ。それが開催国としての責務であろう。これらがしっかりとできないのであれば、五輪は中止するという判断が賢明と思う。