東京都の飲食店でも酒が提供できるようになります。2人客まで、90分制限、酒類の提供は多くの地域が7時までで営業は8時まで、だそうです。問題は「正直者は馬鹿を見るか?」でどの程度の店がこの蛇の生殺しのようなルールを守るか、です。東京都も罰則規定を強化しない限り中途半端との批判が高まってしまいます。一方、25日の告示まで一週間を切った都議会選挙。小池知事は支持政党について態度留保のまま。というより最近、何処を向いて知事の仕事をしているのかわかりません。地に足がついていない、そんな感じに見えます。決められない百合子病、再発でしょうか?
では今週のつぶやきをお送りします。
多量のニュースの消化週間
今週のNYダウ平均は目も当てられない状態でした。6月下旬になって様々なイベントは7月からの夏休み入りを前にぎゅうぎゅうに押し込まれています。その度ごとに一喜一憂するわけですが、今回は経済正常化への喜びより「はしゃぎすぎて地に足がついていない」ことに気が付いたのかもしれません。そもそもミーム銘柄と称される重力に逆らって上昇を重ねた一部銘柄は空売り筋と個人投資家との対決にすぎず、企業業績とは全く無関係なバトルが話題になるほど市場は今の状態を正視できないとも言えそうです。
今週だけでG7、NATO首脳会議、バイデンープーチン会議、FOMC、日銀の金融政策決定会合、日本の国会が閉幕などがあり、イスラエルでは新しい首相が誕生、一方停戦したはずなのに16日にはハマスを標的としたイスラエル軍の空爆がありました。今日はイランの大統領選がありますが、穏健派が外され、保守派で反米意識の強い政権が誕生する公算が高いとみています。7月1日は中国共産党100周年を迎え、国威発揚が見られます。これらを消化するにはちょっと腹いっぱいで時間がかかる、そうみるのが正しいと思います。
事実、日本でNATOの首脳会議もバイデンープーチン会議もほとんどニュースになっていないと思います。報道の焦点はコロナ、五輪、接種、尾身会長といったキーワードでほぼ語りつくせる状況です。北海道のクマ騒動でライブ配信するくらいですから報道の偏りというより国際ニュースは島国故に関係ないと言わんばかりです。株価が下がるのは消化しきれないのでとりあえず、売っておき、夏休みの間に考えるということなのでしょうか?もう少し様子を見るしかありませんね。
ヒット商品番付
日経恒例のヒット商品番付2021年上半期版が発表になり、東の横綱が「サステナブル商品」、西の横綱が「買い物テック」となっています。これを聞いてパッと思い浮かべばご立派です。サステナブルはカーボンニュートラルやSDG’sを受けた商品開発の一環、買い物テックはDX(デジタルトランスフォーメーション)でしょうか?双方とも現代用語の試験に出てくるような内容ですが、個人的に商品としてのバリューアップかと言えばやや疑問符がついてしまいます。
西の前頭に入った真っ黒の高級トースター、パナソニックのビストロは一台27500円程度とされます。パナの最も得意とする他社のヒット商品を徹底分析し、それより良いものを出してヒットさせました。他社とはバルミューダと日本エーアイシーのアラジンで近年の高級食パンブームとうまくマッチしたということでしょうか?それにしてもインパクトが小さいです。だったら最近、機能的にちっとも進化しない電子レンジをあっと驚くものにしてもらえないでしょうかね、パナさん?
日経の下期の予想展開は何と再び「チキン」。世の中、焼き鳥屋と空揚げ屋だらけになったと思ったら次はチキンバーガーのようです。結局、安い素材をベースに広く大衆受けするものが今後も期待されるということでしょうか?私は西の小結に入った「帝国ホテルのサービスアパートメント」、一カ月36万円という価格が興味深いと思います。漫画の呪術廻戦は鬼滅の刃をうまく継ぎ、年内の鬼滅の刃新シリーズにつなぐ形となりそうです。しかし全体的に小粒感は否めない、これが日本の実力なのかな、と感じてしまいます。
キャッシュレスの実態
経産省が2020年度の日本のキャッシュレスの実態を発表しました。キャッシュレス率は29.7%で前年比2.9%増となっています。これを聞いて「あれ、そんなものか?」と思った方は多いかもしれません。しかも内訳をみるとクレジットカードが25.8%、電子マネー2.1%、QRコード1.1%、デビットカード0.8%でクレジットカードの圧勝となっています。
日本ではクレカの使用率が高すぎる、とされますが、それは中国との比較をしているのでしょう。北米ではクレカの世界です。理由はポイント還元のメリットが大きいのと支払いの引き落としが月一回だからです。年会費の高いプラチナカードや海外発行のカードが使えるメリットが大きい一方、商店は追加の費用を払わされています。(これ、案外知られていないかもしれません。)顧客のカードの種類で手数料が変わるなんてひどい仕組みですが、キャッシュレスのデファクトスタンダードであることは間違いないのです。
QRコード型は私はあまり普及しないとみています。理由は面倒くさいから。スマホを出してロックを解除してQRコード読み取りという手間が異様に面倒なのです。また中国のQRコード型の手数料は1%以下ですが、日本は10月から有料化になっていくと思いますが、そんなに安くはできないでしょう。また店のキャッシャーに端末がずらりと並ぶのも見栄え的にサイテーです。今年の秋から日本のキャッシュレス戦争はどうなるのでしょうか?
後記
日本の接種合戦は官民が協力し合った挙国一致体制に見えます。7月23日の五輪開会式まで約1カ月。 少なくとも一回接種した人が18日時点で2076万人。仮に一日100万人ずつ接種できれば開会式までに概ね人口の1/3近くまで到達し、高齢者接種はほぼ終わります。(日本は2回接種を励行しているので伸びが少ない)空の色はだいぶ変わると思います。心理的変化です。期待したいと思います。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2021年6月19日の記事より転載させていただきました。