人生は「お金じゃない」という建前と「お金が大事」という本音

日本人には、お金は汚いものと考える先入観や偏見が強い人が多いように感じます。

「人生はお金じゃない」「お金がなくても幸せ」といった言葉は、お金に関するネガティブなイメージから生まれているのだと思います。

Deagreez/iStock

確かに、お金のことばかり気にして、毎日セコセコと生きている人を見ると、お金に振り回されているようで哀れに見えてきます。また、お金ばかり追いかけている拝金主義者は、なんだか下品で人間としての魅力を感じないのも事実です。

お金は人生の最優先の目標ではありません。しかし、お金がないとできないことがあると言うのも、また現実です。

特にシニアになると体力も落ち、自分でできることには限界が出てくるはずです。必要なサービスを受けるためには、経済力が必要になります。親切な人がボランティアで助けてくれるかもしれませんが、最初からそれを当てにすることはできません。

実際、セコムが昨年行ったシニア層へのアンケート調査では、老後の不安は健康と並びお金と回答する人が多いのです(図表)。

お金があれば幸せになれるとは限りませんが、お金がなくても幸せというのも、必ずしも正しいとは言えません。

だから、人生に必要なお金をどうやったら手に入れられるかを考え、それを計画的に実践していくことは、とても重要です。

そのためには、建前ではなく本音でお金と向き合う必要があります。

「お金は汚くて不浄なもの」と言う発想から、「お金は人生を豊かにするための手段」と言う考え方に切り替えることで、お金とどのように付き合うべきかを、本音で考えられるようになります。

2年前に話題になった「年金2000万円問題」から資産運用に関心を持つ人が増え、新型コロナ感染拡大で将来の経済的不安が高まったことで、その傾向に拍車がかかってきています。

でも、せっかくお金と本音で付き合おうと思っても、正しい方法を知らなければ、思い通りの結果につなげることができません。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年6月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。