情報リテラシーはソースがプル型かプッシュ型で決まる
これはまずわたしのリテラシーの永江理論なんですが、前にもブログに書きました。
現在の日本の所得格差は、情報リテラシーに大きく左右される。
詳しくは↑のエントリーに書いているのだが、はっきりいって
情報格差 = 知的格差 = 収入格差
でもあるわけです。ここからが↑にもある永江理論で情報リソースをプッシュ型とプル型に分けます
プッシュ型・・・向こうから来る
プル型・・・・・自分で取りに行く
と定義します。
プッシュ型の典型がテレビで、電源入れておけば勝手に流れていて興味のあるものだけを見る仕組みです。もちろんテレビにもプル的な要素はあり、典型的なのは災害時のリアルタイムの報道ですが、一般的にはプッシュ型のほうが多いですよね。ラジオも同じです。自分からは行動を起こさず、勝手に目と耳に流れ込んできます。
コロナ禍の今はこれにくわえて「ただいま~新型コロナウイルスのぅ、感染が拡大していますぅ」みたいな放送もそうですね。
プル型の典型は、新聞や雑誌、本などのテキストメディアで、これは「自分から読みにいく」という行動を起こさないと向こうから来てくれません。基本的にはネットはこちらですが、ぼーっと見ていると次々とオススメが向こうから出てくるYouTubeはプルではなくてプッシュ型の典型だと思います。また、SNSでもTikTokのリコメンドをずっと見ているような行為はプッシュ型です。なので子供がこればかりになるとなかなか厳しいです。
高齢者の多くはプッシュ型の情報しか受け取らなくなります。もっとも若年層でも知的レベルの低い層では同じ傾向があります。
今回のコロナワクチンでは、プッシュ型でしか情報を受け取らないクラスタとプル型では大きな差が出ました。
地方によって大きく差が出たワクチン接種時期
わたしはすでにファイザーの1回目をうけましたが、地方によっては高齢者もまだ1回目がこないようなところもあります。
こちらはコロナの人口あたりの感染者数です。
で、こちらはワクチン接種率
北海道
大阪
沖縄
兵庫
神奈川
埼玉 の各知事の諸君!!
痛い目を見たのにキミたちはいったいなにをしているんだ。ワクチン遅すぎだろう。
埼玉県なんて、めちゃくちゃワクチン接種が遅れているくせに五輪のバスケを無観客でやれと知事が言っている。そんなこと言う前にとっととワクチン接種進めたらどうなんだ。30%くらいの接種率になったら感染者はほとんどでなくなるんだぞ。文句言うならやることやってから言え。北海道にいたってはいったいいつになるかもわからんそうだ・・・
埼玉のワクチン接種政策はマジでやばいです。嫁のお父様、私よりも接種遅いです。埼玉の知事は仕事をしていないのがバレました。 https://t.co/A3AMIkV7oP
— 菅 在根@新宿の焼肉李苑&HR屋さん (@mr_kshi) June 23, 2021
大阪市は1ヶ月に1回の集計だから集計が間に合っていないというが・・・
接種券の発送、まだまだされてないやんけ。
区や市によるが、わたしの調布市では65歳以下の接種券もとっくに届いておる。東京の大半はその気になればオリンピック前までに2回の接種を終了することができる。
ワクチン接種のプル型リーチについて
で、ワクチンなのであるが、自治体からの連絡を待っているのではプッシュ型である。これをぼーっと待っていたのではどんどん遅くなるわけで、早く受けたいのであればいろんな方法があるわけ。
接種券が届いている場合
●大規模接種所にいくと先週までは65歳以下でも受け付けてもらえた。
モデルナワクチン1回目完了。痛み全くなかった。聞いてた通り、流れるようなオペレーションで、待たされる感も密な場所も全くなかった。次は7月下旬。8月には実家に帰れそうでホッとする。
— 古田大輔 (@masurakusuo) June 23, 2021
いまは2回目接種がはじまり、1回目の枠が非常に小さくなりました。
●クリニックで予約する
クリニックではキャンセルが多く出たりしているので、普通に予約できる。自治体のサイトに受け付けているクリニックが掲載されているが、内科など高齢者が多く通うところではいっぱいなので、整形外科とかワクチン接種しそうにないところが狙い目だそうだ。このあたりもTwitterで報告している人がけっこういた。知人は内科で簡単に予約できたそうな。
この接種券であるが、自治体によっては「まだ送ってくれないのか」というと先に送ってくれるところもあるそうです。
接種券が届いていいない場合
これは職域接種です。
大企業でなくても職域接種はできる。たとえばホリエモンのインターステラーは北海道だが
うぉぉぁぁ!!コロナのモデルナワクチンうった!高まる!!!
— いな | 稲川貴大(ロケット屋) (@ina111) June 23, 2021
たぶん、モデルナだから職域でしょ。
30代の東京の友人(工員さん)も今週末に1回目です。
ぼく日本ソムリエ協会の会員なんですけど、なんとそのルートで職域接種が受けられることが判明した。そんなルートがあったかw
— 後 藤 隆 昭 (@ryu_) June 20, 2021
所属する団体や取引先が職域接種をしているケースでは、そこで受けられる事も多い。
本日、職域接種でモデルナの第一回目のワクチンを打ってきました。接種券がなくても大規模に接種を展開しておられる取引先の学究社さんにお世話になりました。素晴らしいオペレーションでした。
接種券が届いていない人は尚更このアプリが重要。
ヘルスアミュレットで、ワクチン接種記録を持ち歩こう pic.twitter.com/H0He6ITmgl— 三浦瑠麗 Lully MIURA (@lullymiura) June 21, 2021
自分のことでもないのにさっと調べただけでこうだ。
テレビだけをぼーっと見ているクラスタは当然、接種が遅れる。中には自分で予約することも知らず、いつか連絡の電話でもかかってくるだろう的な高齢者も多くいるはずだ。
情報格差 = 知的格差
なのである。ワクチン接種の予約ひとつをとってもこれだけ差が出る。
無観客試合とか、一万人制限するくらいなら、
ワクチン2回接種した人はいくらでも入れます
にしたほうがよほど前向きではないか。ビール販売したっていいだろう。
で、パラの時には国内のこうしたプル型の人たちの大半は2回接種が終わっている。また国民全体でも30%くらいの接種率に達しているだろう。パラの入場制限までするならそもそもワクチンの意味ないでしょう、ということでパラの観客については考え直すべきだと思います。
これからますます情報格差、つまり知的格差は広がっていく。コロナ禍はそれを浮き彫りにしたと思います。
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編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2021年6月24日の記事より転載させていただきました。