2021年7月1日、中国共産党は創建100周年を迎える。ソ連・コミンテルン(国際共産主義組織)の主導により、1921年7月に結成された中国共産党。創建100周年を記念して、日本政界の要人たちが次々にメッセージを寄せている。
立憲民主党の小沢一郎(衆院議員)は、「国際社会が中国にかつてない大きな期待を寄せている」と祝意を示すメッセージを寄せたという。
また、同党代表の枝野幸男氏も「「北京政府(中国政府)とわが国は物理的に避けられない近い距離にあり、その政権を担う政党に対する儀礼的なメッセージは党国際局で用意している」と語り、文面は明らかでないものの、何らかの祝意を示すメッセージを送ると見られる。
枝野氏は「香港やチベットなどに対する人権侵害については甚だ遺憾だ。もろ手を挙げてお祝いする状況ではない」とも語っているので、まだましではある。
いわゆる「河野談話」で知られる河野洋平(元官房長官)などは「中国共産党は団結して中国人民を指導し、社会主義制度を打ち建て完全なものとしてきた。これは目を見張るばかりの輝かしい成果である。中国共産党が中国の発展をさらに大きく推進し、世界の平和と発展を守るためにさらなる貢献を果たすことを期待している」と、中国共産党を礼賛するメッセージを送ったと見られる。これと比べたら、かなりましだという意味である。
しかし「中国共産党は団結して中国人民を指導し、社会主義制度を打ち建て完全なものとしてきた」などとよく言えるものだ。事実はその逆ではないか。毛沢東時代の大躍進政策では約3600万人もの餓死者を出し、文化大革命では弾圧により多大な死者を出し、天安門事件では民主化を求める国民を虐殺した。独裁・恐怖政治によって、国民の自由を奪ってきたばかりか、虐殺を繰り返してきたとんでもない政党、それが中国共産党なのだ。
そして近年では、ウイグル人へのジェノサイドや香港の民主活動家への弾圧が問題になっている。このような悪行を重ねてきた中国共産党100周年には、祝意ではなく、全面的抗議をするか、加藤勝信(官房長官)が記者会見で「一般論として、他国の政党に政府として対応するということは特段予定はしていない」と語ったように無視で良いのである。