国からの新型コロナワクチンの供給が滞るとの懸念が広がり、各自治体に混乱が生じているようだ。94万人の人口を擁するわが世田谷区の保坂区長も声を上げている。
おはようございます。全国知事会からも、国のワクチン供給の現状について「国が具体的な供給予定を示す」ことを求める議論があったと報道された。私としては、9月に本当にファイザー、モデルナ両社で2億2千万回分が日本に届くのか。届くのだとしたら、配送日程を明示してほしい。
— 保坂展人 (@hosakanobuto) July 11, 2021
たしかに、国の見通しの甘さは批判されてしかるべきだろうが、いつものことながら、文句ばかり言っていても、区民のワクチン接種が進むわけではない。困難な状況に陥りながらも、世田谷区のトップとしてできることに全力を注ぐべきである。
ようやく私の手元にも接種券が送られて来た。これで、世田谷区では40歳以上の区民全員に届いていることになるが、前述の理由もあり、接種の予約に支障をきたしているという、40代の方から苦情を受けたので、私もネット予約を試みた。まずは、区内の会場で8月29日に第1回接種を予約できた。しかし、第2回は予約できない。ファイザー社製ワクチンは、「18日以上の間隔をおき、標準的には20日の間隔をあけて2回接種を行うこと」という厚労省の見解に則れば、9月下旬に2回目の予約を取りたいが、出来ない。
区によれば、ワクチン供給の見通しが立たないからだと言うのだが、それならば、第1回の接種を受ける意味があるのかという疑問が沸く。そもそも、第1回と第2回を同時に予約できないと意味がなく、第1回だけ予約させておいて、それすら供給されなかったどうするのか。そうでなくても、いつ2回目ができるかもわからないのに、誰が1回目を予約するというのか。一層のこと、予約そのものをできないようにした方が、親切ではないのか。
というのも、われわれ40代の働き盛り、子育て世代は忙しい。第一線を退いた高齢者のように自由に時間を融通できるわけではない。限られた中で、ワクチン接種の日取りを考えなければならず、予約とキャンセルを繰り返させるなどというストレスを与えてどうするのか。早速、区にはネットの作りや告知の仕方を工夫するよう要望した。
私と同世代の中には、ワクチン接種済みの人とそうでない人との間で格差が生じていると聞く。社内でも接種済者は出社が許され、仕事を次から次へと進められるが、未接種者は自宅での孤独なテレワークを強いられているという。ここで仕事の差がつく焦りを隠せないというのが、先ほどの人の言い分であり、このことはよく理解できる。
区は65歳以上の高齢者から接種をスタートさせ、同じパターンでほかの世代でも実施できると踏んでいたようだが、それはあまりにも短絡思考である。それぞれの世代特有の状況を考慮していない。それよりも、キャンセル分のワクチンの情報共有を強化してムダを出さないなど、そもそもの区のオペレーションに問題はないのか。
保坂区長には、国に文句を言うのも結構だが、その前に、区民重視のきめ細やかな対応に万全を尽くすよう切にお願いしたい。