人間は野生動物とどのように付き合うべきか

3連休に開催されている狩猟講座に参加しています。場所は丹波山村という山梨県の山村。東京からだと、中央線で青梅まで行き、そこから奥多摩まで電車を乗り継ぎ、更にバスで現地に向かいます。東京都心から3時間の秘境です。

初日は野生肉の解体について学ぶ講座でしたが、予想に反して30名近い参加者がいました。しかも、学生さんから会社員。様々な世代の人がおり、女性の参加も4割程度いたのも意外です。

座学で解体について学んだ後、実際にシカ、イノシシ、アナグマ、キジ、ヤマバトといったジビエを解体する方法を、リアルな実物を使ってやっていきました(リアルな写真は残念ながらSNSアップ禁止です)。

講座終了後は懇親会。さばいたジビエを使った様々な料理を堪能しました。クセのあるワイルドなお肉は、東京ではなかなか味わえない個性的な味でした。

参加者にはシカやイノシシ、ハクビシンなどによる農作物の被害対策で参加している人が目立ちました。全国的に被害が増えているらしく、各自治体は捕獲に補助金を出して駆除を進めているそうです。

しかし、このような農作物被害の原因は、山林の乱開発や、生態系の破壊、地球温暖化など人間側のエゴイズムによる部分もあるのです。

大切な命を駆除して殺してしまうだけではなく、自然の恵みを無駄にせず、大切に頂くためには、どのようにしたら良いのか。

ジビエには厳しい衛生管理があり、正しい方法で捕獲してしっかりと後処理を行わないと、商品として流通させることができないそうです。

また野生の動物なので、供給量や品質が一定せず、商品化することが難しい問題もあります。

地球温暖化の原因として、牛のような動物性タンパク質が問題視され、植物肉が注目されています。

その一方で、同じ動物でも、野生動物は、繁殖量をコントロールし、駆除した動物の有効活用を考える必要があるのです。

私は食の興味から今回参加しましたが、狩猟には人間と野生動物の共生と言う重要なテーマがあることを知りました。

初日の天気は幸いにも雨に降られず、快適な気温でワクチンの副反応による体調不良の中、何とか終えられました。あと2日今まで体験したことのない分野の勉強をしてきます。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年8月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。