パラリンピックこそ学校観戦を

東京オリンピックが閉幕した。14-16日に実施した共同通信の世論調査によると、オリンピック開催について、「よかった」が62.9%、「よくなかった」が30.8%だった。私は当初から開催に賛成してきたが、やはり実施してよかったと思う。

tore2527/iStock

24日からはパラリンピックが始まる。オリンピック同様、一般観客の受け入れは断念するとのことだが、小中学校の児童生徒を迎える「学校連携観戦プログラム」については、希望する自治体や学校設置者が、新型コロナ感染防止策など安全対策を講じることを条件に、実施できることになった。オリンピックでは出来なかった分、パラリンピックではぜひとも実現して欲しい。首長、教育者の決断が求められる。

世田谷区では馬事公苑が馬術の会場となっている。何度も指摘したが、オリパラの直接観戦は生涯で何度もあるものではない。参加した人の言では、テレビでは伝わらない、アスリートたちの熱のこもった息遣いを肌身で感じることができるという。何物にも代えがたい貴重な経験、財産となる。

ということを、多くの政治家や教育者は頭ではわかっているだろうが、速やかに実施の決断ができない。もちろん、反対する保護者や子どもたちもいるだろうから、そういう方たちには、不参加でも欠席扱いにしないなどの配慮が必要だ。実施を決定すれば個々人の不参加という形はあり得るが、中止にしてしまえば、私のところに声を届けてくださるような、希望する区民の方々の意思を頭ごなしに挫くことになる。

世田谷区長は毎日のように国政の評論ばかりしているが、「教育ジャーナリスト」として、もっと学校観戦について関心を抱いて欲しい。そして区長としてどういう思いなのか、子どもたちへ向けて、心のこもったメッセージを発して欲しい。国政の話はその次である。