日本のTikTokのユーザー層は全く若い世代ではなかった

世間一般の認識と違う日本のTikTok

本日は珍しく(ww)本業のマーケティングネタです。

テレビなどでよく紹介されるようになったTikTokですが、わたしもクライアントのSNS運用でTikTokを運用させています。

TikTok - Make Your Day

料理研究家の八代さん。8ヶ月でここまで来ました。テレビも何回か取材されました。

5./15 WEST/iStock

しかし最近、毎日Instagramのリールは見ているのですが、TikTokは全く見ていない自分がいることに気づきました。なんでだろうと少し考えると理由はこんな感じ

1  日本版は動画の質が低い
※ヤンキーとか現業の人が多い
2  海外と比較してスーパー級がいない
3  怪しい広告多すぎ・・・サラ金みたいなヤツ
4  コメント欄荒れすぎ。YouTubeに誘導しすぎ

スーパー級で有名なのは16歳のこの子です。チャーリー・ダメリオ

@charlidamelio

20 minutes until shyco @dixiedamelio

♬ Psycho (feat. Rubi Rose) – Dixie

フォロワー数1億2000万人!!
日本の人口と同じ!! www
凄い美人でもなく極上のスタイルでもない。まだ子供ですがチャーミングなのです。Instagramのフォロワー数は4320万人。ここまで来るとテレビやタイアップに引っ張りだこです。

この海外の盛り上がりと日本のそれはかなり違う。いったいどこが違うのか。

こんなに違う、米国と日本のTikTokユーザー

TikTok、日米での利用の違いをアプリデータから読み解く

とんでもない事が分かりました。

MAU(月間利用者数)がすでに減少

この記事ではコロナの影響でとしていますが、それは逆なんじゃないかと思います。家で暇ならSNSやるでしょ。最新の総務省の情報通信白書(無料)を見てみる。


やはりコロナ禍の昨年は2019年より69%から73.8%とかなり伸びている。SNSへの依存度はこんなに上がっているのだ。数年前まで個別のSNSについての利用度調査があったが3年度版にはなくなってしまった。

特に20代は2019年とコロナ禍ではSNSの平日の利用が71.4分→84.6分と急上昇。30代も35.3分→40.9分
コロナ禍でCNSへの依存度があがったのにTikTokの利用度が上がらないというのはどうもおかしい。普通に考えるとユーザー離れしてたとえばInstagramのリールに移行した可能性もある。Instagramの利用度の調査データがないのでApp Apeの統計データで見てみた。TikTokはSNSではなく動画ジャンルになっているが


Youtubeに圧倒されてアベマと同レベル。かたやInstagramは


Twitterに迫る大健闘です。
TikTokは日本ではかなり苦戦といってもよいのではないか。

米国と比較して全くイケてない理由

まず日本は圧倒的に米国よりMAUがすくない。


米国の人口は日本の3倍だから10倍の規模は3.3倍ということになります。
しかし問題は中身で
こちらは米国。圧倒的に若い女子

こちらは日本。若い女子、めちゃくちゃ少ない!!!

日本のTikTokはおっさんのメディア!!!しかも

休眠ユーザーが+302.6%、ライトユーザーが+96.0%、ミドルユーザーがー13.7%、ヘビーユーザーがー9.1%などという数値を記録しています。

米国のTikTokが若い女子のヘビーユーザーがメインなのに対し、日本は登録しただけのオッサンばかり。しかもユーザーの大半はたまに見る程度!!!というとんでもない事になってます。TikTokは若い女子のSNSという認識は日本では全く間違っていると言えるでしょう。

もちろんこれは人口構成比もあります。
米国

日本

米国だって40代のおっさんより20代の女子はほぼ同数。日本は1.5倍くらいです。年齢はまだ少し理解できるにせよ、日本の性別が男ばかりというのはおかしすぎます。日米ではまったく別ものになってしまったと考えた方がいいでしょう。

ユーザー数の伸びについても米国は凄い勢いでまだ伸びているのに対し、日本は完全に停滞。その差は開くばかりになっていると言えます。

なぜこんなことになってしまったのか

ここからは仮説ですよ。

米国では上のチャーリー・ダメリオをはじめ、数百万~数千万人級のフォロワーを持つ素人アカウントがゴロゴロいます。4位の7890万フォロワーのフィリピン系ベラ・ポーチはミュージックビデオも出しました。
日本はというと

こんな感じ。決定的に違うのはまず女子が少ない。

●ほとんど誰も踊ってない
●くだらない(汗)面白動画山盛

という感じでしょうか。
米国では若い素人女子(男子もいるが)がメジャーになってそれでお金持ちになれるメディアなのにたいし、日本ではふざけた面白動画っていうイメージがあります。米国は綺麗な女の子が素敵な家で踊るパターンが大半なので、みんな食い入るように憧れの目で見たりするわけですが(笑)、日本だと動画を上げている層もブルーカラーが多くて(もちろん面白いのもありますよ)見ている層も同じではないかと思います。

米国のTikTokは憧れの対象
日本のTikTokは笑いの対象

という感じもしますね。

日本のTikTokの場合、Instagramと違って全世界に配信されたり、または全世界の様子が見えるものではなくて日本でローカライズされているので、ほとんど閉じた狭い世界観です。世界と交えるようにアルゴリズムを変更してくれないとこのまま日本のTikTokはどんどん休眠が増えていくように思います。イケてる女子は海外と交わるInstagramに注力してしまうと思いますよ。

おそらく総務省が数千万はかるくかけてるけど無料のKindle本。目を通しておくべきです。プレレゼン資料にも使えます。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2021年8月24日の記事より転載させていただきました。