田村厚労相と小池東京都知事が会談し、都内の医療機関に「コロナ病床を確保してほしい」という協力要請を出しました。
都内の医療機関に病床確保要請へ 国と都 https://t.co/PuL4Min5Q1
改正感染症法に基づく協力要請を23日付で行うことを決めた。改正感染症法では、医療機関が正当な理由なく要請に応じない場合、勧告ができる。それでも従わない場合には医療機関名の公表が可能。
— 産経ニュース (@Sankei_news) August 23, 2021
今年2月に感染症法が改正され、「厚生労働大臣及び都道府県知事は、当該協力を求められた者が、正当な理由がなく当該協力の求めに応じなかったときは、同項に定める措置の実施に協力するよう勧告することができる」(第16条)という規定が設けられました。勧告の罰則は、従わなかった病院名を公表するだけです。
このとき同時に新型インフル特措法の改正で、飲食店などに対しては「当該要請に係る措置を講ずべきことを命ずることができる」(第45条)という規定が設けられました。飲食店についてはグローバルダイニングなどに罰金(過料)がかけられましたが、病院については、勧告の前段階の「要請」さえしていなかったのです。
しかし1病床あたり1950万円も補助金をもらった東京都の6000のコロナ病床のうち、2000以上があいており、人手不足などを理由に患者を拒否する病院があるという日経新聞のスクープで、ようやく行政も実態調査に動き出しました。
コロナ病床確保の補助金を受けながら患者受け入れに消極的な病院はないか。自宅待機を余儀なくされる人が相次ぎ、政府は実態を調査して開業医を含めた総動員での協力を求めます。#日経イブニングスクープhttps://t.co/kGe5VReq1W
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) August 19, 2021
今回初めて「要請」することを決めたのですが、それに従わなかった場合の勧告も、病院名の公表もしません。この腰の引けた対応は、医師会の強い政治力に遠慮しているのでしょう。これに対して「よくやった」という声もあります。
厚労省と東京都は都内全医療機関に感染症法に基づいて初めて病床確保要請。結構なことだが、今まで要請していなかったとは驚き。正当な理由なく応じなければ、勧告や医療機関名公表。
— 大塚耕平 (@kouhei1005mon) August 23, 2021
厚生労働省と東京都、すべての医療機関に病床確保を要請へ 拒否したら病院名公表 =ネットの反応「よし!徹底的にやれ」「コロナ患者受け入れの補助金(1病床あたり1950万円)だけもらって、患者受け入れを拒否している病院が多数あるらしい」 https://t.co/SIVyNVbttL
— アノニマス ポスト ニュースとネットの反応 (@anonymous_post2) August 23, 2021
医療側からの一方的「医療崩壊」報道しかしないNHKに猛省を促す記事なので詳しく。
①「2020年末以降、病床を新たに確保した医療機関に1床あたり最大1950万円を支給する制度〜病床を空けておくと1床に1日最大43万6000円を補償する事業などに20年度、1兆円以上投じた。」https://t.co/ARs8vnuW1U
— 青山 まさゆき (@my_fc1) August 20, 2021
しかし現場の医師からは反発の声が上がっています。
大事なことなので何度でも言いますが、今コロナを診ていない病院はサボっているわけではなく、コロナ以外の疾患を診ています
https://news.yahoo.co.jp/articles/d81b4165a1f94aceef82f66a921142437a5c1138— おると🔨🐦整形外科医 (@Ortho_FL) August 23, 2021
この件には心底呆れる。
そこまでコロナ患者を優先して取れというなら、「がんが見つかっても治療は延期されます、救急疾患も救命出来なくなります。我慢してください」
と国・自治体が国民に対して言うべきだ。
都合の悪い説明だけを医療者へ押し付けるなど卑怯だ。 https://t.co/oBfr1QPIer
— Yoshi Yonemitsu MD PhD (@yoshipatho) August 23, 2021
もとはといえば、人不足はこれまでの医療政策や、過重労働を医療従事者に課して医療の質を保ってきたことの結果。去った人もたくさんいる。それなのに、「病床確保に応じなければ名称公表」は、瀕死の病人を鞭で打つ行為です。
— 松村むつみ MD, PhD@『自身を守り家族を守る医療リテラシー読本』『エビデンスの落とし穴』 (@ichigumapanda) August 24, 2021
このおかげかどうかわかりませんが、3800人ぐらいで頭打ちになっていた東京都のコロナ入院患者数が、きのう4034人になりました。
東京都が「コロナ補助金をもらっているのに正当な理由なく患者受け入れを拒否している病院」に対して、感染症法にもとづく「要請」を初めてやったら、3800人で頭打ちだった入院患者が急に増えて4000人を超えた。わかりやすいね。
東京、入院患者4千人超す 新型コロナ https://t.co/FQgfuiU7Cl
— 池田信夫 (@ikedanob) August 23, 2021
ほとんどの医師はまじめにやっていると思いますが、中には補助金だけもらって患者を拒否していた病院もあるようです。また人も設備もあるのに、風評被害をいやがってコロナ患者を受け入れない病院も多い。飲食店ばかりいじめないで、病院も社会的使命を果たしてほしいものです。