眞子様の結婚はもうそっと見守るのが賢明

女性宮家創設の障害なくなる

秋篠宮家の長女眞子さま(29)が小室圭さん(29)と年内に結婚することになりました。2人の固い決意と、「婚姻は両性の合意のみに基づく」とする憲法24条の規定を尊重する形に至り、「やれやれ」のニュースです。

眞子さまと小室さんの婚約会見 NHKより

本当は、金銭スキャンダルにまみれた母親の扱い、皇室の伝統と品位の維持を考えると、小室さんが婚約を辞退すべきだったと思います。眞子さまの思いもあって、そうにはならず、一方、秋篠宮も「結婚の意思を尊重する」と表明(20年11月)したことで、今回の流れは固まりました。

「1億4000万円もの一時金はもってのほか。支払うべきでない」との非難は今も半端ではない。実際はどうかというと、新聞によると「眞子さまは19年、すでに一時金辞退の意向を宮内庁に伝えていた」(2日の読売朝刊)との情報があります。

それが最近になっても「受け取るべきでない」との声が絶えないのは、眞子さまの気持ちを宮内庁が公表するわけにはいかなかったからでしょう。見当はずれの非難がまだ続いているのは、残念なことです。

お二人に対する批判、中傷誹謗が収まらなかったのは、他に女性宮家創設(結婚後も皇室残る)、旧皇族の皇族復帰の問題が絡んでいたからでしょう。「女系天皇につながりかねない女性宮家の創設は反対、旧皇族の男系男子の皇族復帰には賛成」の動きが今もあるからでしょう。

女性宮家の反対派にとっては、「眞子さまの事件」が絶好の根拠となりました。反対派は「これは事件だ。それみたことか」と叫ぶ。それが強烈な「眞子さま、圭さんバッシング」に引火した。特にテレビのワイドショー、女性週刊誌には格好のネタになりました。

週刊誌も保守派も、身元調査をろくにしなかった宮内庁の責任は問わず、叩きやすい圭さん、眞子さま叩きに走りました。

眞子さまは皇室離脱し、民間人になった段階で、女性宮家の対象から外れます。宮内庁、皇位継承有識者会議にとって大きな障害だった眞子さま問題が消える。だから眞子さまの「年内結婚」を宮内庁は歓迎する。

圭さんは米ニューヨークで弁護士事務所に就職する方向のようです。日本にいると、情報源が不確かな記事を今後も、書かれ続けます。お二人の米国生活はそれを遮断することができます。

時代は一転したかのように、女性尊重、女性活躍の流れが加速しています。眞子さまの皇室離脱で、未婚の皇族女子は5人になります。先を急がないと、さらに減り、皇室の存続の懸念材料になります。

旧皇族の復帰(具体的には男系男子の皇籍復帰、あるいは男系男子を養子とする)を支持する案も検討されています。少なくとも、女性宮家の創設なしにこの案を検討するのは、時代錯誤です。

さらに、どのような人が該当者になりうるのか明らかにされていません。「存続している旧宮家は11でのうち5に減り、未婚の男系男子は8人」とか指摘する識者もおります。

私が不思議に思うのは、上皇も天皇も、妃殿下は美智子妃も雅子妃という民間人を選ばれたことです。旧宮家、旧華族にはふさわしい方がおられなかったのかな、だれでも思うことでしょう。

また、平成天皇の皇女・清子さまは都職員と結婚されました。高円宮久子さまの子女もサラリーマンと結婚されています。旧皇族の復帰を主張する前に、現実に起きていることへの説明が欲しいのです。


編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2021年9月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。