SNSが加速する「東京寿司バブル」

食事に出かけたお店のお料理をインスタグラムなどのSNSにアップするのが、今や当たり前のように広がっています。

それによって、キャパシティの小さなお店の予約が益々取りにくくなっています。これは、カウンターだけのお寿司屋さんのようなお店で顕著です。

先日、出かけた赤羽橋の有名店はカウンター8席で一日2回転だけしかしないお店。一緒に出かけた友人が次回の予約をしようとすると「一番早くて9月末になります」と言われました。

意外に予約が取りやすいのかと思いきや、今年の9月ではなく、来年の9月末まで予約がいっぱいだったのです。

一日16席。25日営業しても毎月400席です。とすると、既に4000人以上の予約が入っていることになります。

このようなお店は、東京でも限られているのかもしれませんが、SNSでの拡散が影響しているのは間違いありません。

確かに、予約しても行く価値のある唸る美味しさではありました。とは言え、一年先までお寿司を食べる予定を入れておくというのは、何とも異常です。

と書くと、自分が行くからそうなるのであって、自業自得じゃない?という突っ込みの声が聞こえてきそうです。

しかし、元々は予約が普通に取れた贔屓のお店が、いつしかメディアで人気店に押し上げられ、いつしか予約困難店になってしまうことは、珍しくありません。例えば、目黒の伝説となった焼き鳥店もそんなお店の1つです。

それまで、当日でも自由に行けたお店が、数カ月先まで予約が取れなくなってしまうのは、何とも困った状況です。

金融緩和で金余りが続き、デフレで海外よりも相対的な割安感がある東京の飲食店。SNSで評判になったお店の予約は、これからもますます難しくなりそうです。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年9月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。