久々の「日本型」リーダー。
岸田文雄さんが自民党総裁に選出された。カリスマ性に欠けるが、チーム日本のリーダーにふさわしい。目先の支持率や短期的な利益にとらわれない、長期政権を築き、方向を変えてもらえる可能性が高まったと感じている。
ほぼほぼ昭和中期以降のリーダーから最近のリーダーにあった、
- 勇ましいことは言うが、説得力のある説明がない
- 厳しい質問を避ける・逃げる
- 嘘をついたまましらをきりとおす
- 自分にとって嫌なことに対して感情的になる
- 誠実な回答をせず、答弁がかみあわない
- ヤジを飛ばす
- 事前に質問を受けて、その模範回答を読むだけ、突発的な質問に意味不明な回答をする
- 官邸官僚の総理の「分身」が強権的に主導する
- 各省庁幹部に人事権を盾に強権的に命令する
- 世論をあおる、
政権維持がために腐心する
ということはおそらくなくなるだろう。
人としての重みがあり、優しさと他人へのリスペクトあふれ、謙虚で、信頼できる人間がついにリーダーになったからだ。
他人から「真面目で、人を裏切らない。我田引水もせず、公正中立」と評価される人はなかなかいない。ターンアラウンド研究所の中島由美子コンサルタントによる声診断結果からも「リーダーとして強い信念や軸を持っている」、「いわゆる話すこと、答弁や、わかりやすく物事を伝えるスポークスマン的な能力がとても高い」、「真面目さや周りと合わせていく協調性などもあり、信念もありながらこのような面も持ち合わせていらっしゃるのでとてもバランスが良い」という点も明らかになっている。
仲間を大事にする「人格者」総理の登場だと思っている。
何気に、政権交代?
何気に党内政権交代・・・なのかもしれない。人事配置も安倍氏の影響も限定的になるだろう。理由の1つは、安倍さんに対して牙をむいた若手の福田さんが総務会長に据えたことなど関係者から安倍さんの影響力はそれほど大きくはないとの話も聞こえてきた。時事通信では「安倍晋三前首相には配慮を見せつつ、言いなりにはならないとの姿勢もうかがえる。安倍氏は不満を漏らしている」との報道もある。
それはともあれ、岸田内閣、問われるのは分配政策だろう。「分配なくして、次の成長なし」と「新しい日本型資本主義」は論理的につながる。格差是正が大きなテーマになる。
その意味で、「中道・リベラル」へシフトした政権交代かもしれない。安倍政治は右翼路線、菅政治は構造改革路線であり、「新しい資本主義」といった理念から見ても新たな中道政党になる。
経済政策面では、再分配を重視する穏健保守路線を主張する岸田さんたちが自民党の路線を変更させた、実質、政権交代なものとみなすこともできる。
分配での格差縮小
これまで格差拡大を進めてきた政策をまとめると、以下のようになる。
特に、アベノミクスにおいてはこの傾向が強かった。トリクルダウンに期待し、円安誘導で一部産業は儲けて、財政資金を株高維持に使い、投資家は株高で儲けて、企業収益が改善という意味では経済回復はできた。「成長と分配」という方針で、中間層を手厚くする岸田さんの経済政策はとても国民にとっては期待が持てる。
実際アベノミクスの軌道修正
今回の自民党総裁選でアベノミクスは「失敗した」とまでは言わないが、安倍政権の路線はダメだという共通合意が自民党内、いや日本国内に見られたことも確かだろう。格差是正と分配を進めていく、という合意が生まれたといっても過言ではない。よって、日本政治の論点がなくなってしまった。その結果、野党には厳しい面もあるだろう。
岸田政権の課題は、経済団体を説得できるか、である。大企業に対し、「長