ファーストの会結党記者会見が予想を大きく超えていた件:仕掛ける岸田文雄総理

奥澤 高広

先日の記事の続きです。

都民ファ国政進出で、小池新党の衝撃再び:国政選挙を勝ち抜けるかは疑問
10月1日、地域政党「都民ファーストの会」が国政に進出するとのことで、政治界隈では大きな衝撃が広がっています。 というのも、都民ファーストの会の特別顧問は小池百合子東京都知事であり、つまり、小池知事が国政に殴り込みをかける狼煙ではない...

私もかつて所属した地域政党「都民ファーストの会」が国政進出する、との報を受け、政治関係者が固唾を飲んで見守った記者会見。

小池氏と岸田氏 両氏HPより

予想を大きく超える…生煮え感でした・・・

「今日は、結党をお伝えする目的」

とはいえ、立候補するメンバーや政策の柱くらいは出てくるだろうと思っていたメディアからは質問の嵐。

そして、すれ違う答え。繰り返される同じ質問。

いくらなんでも、記者会見に臨めるレベルではないだろうというのが率直なところでした。

詳しい話はNEWSおくちゃんねるでしたので、見ていただきたいと思いますが、ポイントをまとめると・・・

  • 党名は「ファーストの会」
  • 代表は荒木ちはる都議が兼ねる
  • 国政政党の要件は満たさない(小選挙区と比例の重複立候補できない)
    ※現時点で国会議員の合流は確定していないと考えられる。
  • 候補者公募を開始(都議からの転出は否定しないが、原則都政にまい進)
    ※都議選当選から3か月が経過したため、都議から国政に転出する場合、欠員が出る。
  • 東京を中心に25名以上の候補者擁立を目指す

荒木ちはる代表、入江のぶこ都議、龍円あいり都議が3名並ぶと、ぱっと見、これまでの政党との違いが出るので、思ったよりも人気が出るのでは?という意見も聞こえてきましたが、さすがにこれだけ中身のない記者会見かつ質疑応答もしどろもどろだったことで、期待感は下がると思うのですが…世論の反応をもう少し様子見たいと思います。

また、政策は出ていませんが、方向性を綱領から察するに・・・

  • 寛容な保守改革政党(記者会見では保守中道と発言)
  • コロナ対策の遅れや失われた30年への憂いが結党の理由(地方分権目指す)
  • 四つの原則
    「国民ファースト」「情報公開」「賢い支出」「持続可能性」
  • 科学力と包摂力で平和を希求
  • 多様性と包摂性(ダイバーシティとソーシャルインクルージョン)

ということで、割と聞こえは良いものが並んでいますが、その実現に向けてどのような政策をうちこんでくるのか見たいところです。地域政党が母体となっている以上、例えばおおさか維新の会の都構想に向けた「大都市地域特別区設置法の改正」などの、地域政党の目指す政策の実現に向けて、大きな柱を立ててくるのだと思いますが、これまでの都民ファの質問からは見えてこない部分でもあります。

そして、肝心の小池都知事の関与はと言えば・・・

  • 党名は小池百合子知事と相談して決めた
  • 出馬要請はしていない
  • 結党の想いは理解してくれている(はず)
  • 相談しながら進めていく
  • 既存政党や国会議員との具体的な話はしていない

昨日の記者会見を額面通りに受け取るならば、肩透かし感が半端じゃない印象でした。

衆議院の解散は10/14との見方が高まる中、都議会は10/13に閉会日を迎えます。それまでに、小池都知事の動きはあるのか。今後の焦点は、そこに絞られると思いますが、世論の受け止め、つまり風の変化を読み切ってから動くことになるでしょう。あるいは今回は本当に動かないのかも。

こうした動きを受けて、岸田文雄総理が仕掛けてきましたね。

衆議院議員選挙の日程が10/19公示、10/31投開票!

早くもファーストの会ピンチ。候補者たてられるのか・・・

とにかく、綱領にも「自らがけから飛び降りる覚悟」と書かれていた通り、もう後戻りはできない状況に自らを追い込んだわけですから、既存政党が描くことのできない将来像を提示して、政策論争を行っていただきたいと思います。