ワクチン接種率80%のシンガポールとポルトガルを比較する

ゼロコロナを邁進する日本

日本はほぼゼロコロナ。昨日の新規陽性者は770人。

leungchopan/iStock

人口500万人のニュージーランドの昨日の新規陽性者が61人ですから、1億4000万人の日本と人口合わせますと1708人。日本の2倍以上です。東京の1400万人と合わせると170人。東京は昨日60人ですから東京の3倍の新規陽性です。人口を考えるとほぼゼロコロナになっています。

日本のワクチン接種率はすでにアメリカを抜き

ドイツとほぼ並びました。すべての制限を解除したスウェーデンなどの北欧諸国と同レベルです。しかしそういた国は接種スピードがほぼ止まったのに対し、日本はまだ伸びています。ここまできたらもう平気ですのでワクチン打ちたくない人は打たなくても良いですからヒステリックに騒ぐのは止めて欲しいです。誰も聞いてないわけですから。

東京では
デルタ株がピークの8月上旬と今のワクチン接種率は
40代 6.6% → 63.3% → 10月末予定 72%
50代 11% → 72.9% → 10月末予定 78.8%
第5波で重症化して大変なことになった40~50代は7~8割がワクチン接種を終了し、この人たちの抗体は2月くらいまでは楽々持つので高齢者のブースターさえ間に合えば冬には医療崩壊はないと思います。

ワクチン接種率80%のシンガポールとポルトガルを比較する

今朝のテレビを見ていましたら、「ワクチン接種率80%でも感染が止まらないシンガポール」というのがはじまりまして、また煽りかよとウンザリしたところで「しかし同じ接種率のポルトガルは見事に感染が終息してすべての規制がなくなりました」というのにつながりました。

しかし久々に「WHOのほうから来ました」の渋谷君が出てまして、またしてもPCR真理教徒として恥じないコメント「ポルトガルはPCR検査を抑制していてシンガポールはたくさん検査をしているから」と主張!! 橋下さんに「そもそもワクチン効果が重症化しなくなっているのに無症状をあぶり出して隔離とかまだそんな不可能なことをいっているのか」とやりこめられていました。

反ワクチンの人たちはうれしそうに「ワクチンでADEがおきてシンガポールは感染爆発したんだ」と言いますが、科学は法則性がないといけない。仮にシンガポールでADEが起きたのなら日本やポルトガルでも起きないといけない。ww 1箇所だけで起きているだけであるからこれには法則性がなく、なにか特殊な理由があるはずだ、と考えるのが科学的な思考です。

3国の詳細を見比べる

ポルトガルとシンガポール、日本のケースをそれぞれ並べます。

まずは人口1106万人のポルトガル

第1波あたりでは被害が少なかったポルトガル。日本と同じ株のBCGを打っていたのでこれがその理由かと言われましたが、100万人あたりの死者数はポルトガル1776・・・。フランス1788と変わらん 日本は142人です。同様にBCGで死者が少ないとされていた国は

イラン 1436
ポーランド 2007
イラク 545
マレーシア 831
タイ 254

でして、あまり関係なかったかもという感じでした。

ポルトガルの昨日の新規陽性者499人を日本の人口に合わせますと5988人(日本は770人)で日本の9月中旬くらい。死者は同様に7人ですので日本と合わせると84人。これも同様に9月上旬くらいです。つまり1ヶ月前の日本と同レベルで全ての規制がないわけです。

で、シンガポールはというと

死者のメモリが小さいのでえらくたくさん死んでいるように見えますが、人口590万人で昨日の新規陽性は2809人、死者数は9人、日本と揃えますとそれぞれ56000人、180人(日本は25人)となります。日本の72倍の新規陽性で死者数は7.2倍と死者が非常に少ないのが分かります。ワクチン効果ですね。いまのシンガポールは日本の第5波のピークの2倍という感じです。

この2つの国と日本を並べますとシンガポールの感染推移が少し変なのが分かりますよね

日本とポルトガルは何回も波が来て感染にずっと晒されてきたわけですが・・・・


シンガポールは強権独裁国家ということもあって厳しいロックダウンで9ヶ月の間、ノーコロナでした。

厳しいロックダウンをしてワクチンができるまで耐え忍べば勝ち組!! ということでシンガポールはその戦略を採ったわけですが、

そもそもワクチンでできる抗体と自然感染でできる抗体はすこししが違うことが分かっています。実際、リー・シェンロン首相は長い期間封じ込めたのでデルタ株の感染が広がらず自然感染の抗体がなかったから。しかし重症化率は低い」と話しています。実はコレ、感染症の専門家ならいままで「感染するな、するな」を言い続けていたので絶対に言えない言葉だと思います。

本日のニュース

「コロナ感染経験者」と「ワクチン接種者」が抗体量を検査で調べてみた

実際に臨床に従事している医師の知人(複数)もみんないいますが、

医師の話では、感染者はワクチン接種者より抗体量が少ない。それでも那奈さんは症状が重かったせいか「2カ月経ってこの量なら多い方です」と言われたそうだ。「私が『346って少なすぎませんかね』と不安がっていると、医師から『私も今年の5月にワクチン接種を終えて、今は700ぐらいですよ』と慰められました」

しかし、感染によってできた免疫にワクチンが加わると最強になるのは論文も出ていてもうファクトです。わたしの知人も抗体価が計測不可能まで振りきっているのを自慢してました。

日本もポルトガルもほどより国民が感染を重ねてそこにワクチン接種が行われた。とくに日本は第5波でファクターXが消失していままで最大の感染拡大が起きた。都内のサンプリングで1%弱。空港の木下工務店の検査では陽性率3%。これはそのときの陽性率だから第5波では3割くらいの人が感染した可能性もあります。絶対数が多いので一定の中等症、重症が出たもののほとんどが無症状だった。こうした人たちが抗体を持ち、そこに一気にワクチン接種をしてゼロコロナになったのではないかと仮説を立てる次第です。

まあ、第4波まではファクターXがあり、第5波ではワクチンが高齢者に間に合った日本。まさに神風が吹いたといってもいいんじゃないかなと思います。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2021年10月11の記事より転載させていただきました。