コロナワクチン接種後心筋炎、50歳未満の死亡例が7例と急増

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ほとんど報道されていませんが、今回公開された資料によると、コロナワクチン接種後心筋炎の50歳未満の死亡例が7例と急増しています。前回の10月1日に公開された資料では、死亡例は全例60歳以上であり、50歳未満の死亡例はゼロでしたので、死亡の報告例が急増しているのは、紛れもない事実です。

現在、心筋炎の死亡例を調べる資料としては、4つの一覧が公開されています。

普通に考えますと、一覧AとBを調べれば十分なはずです。実際に調べますと、50歳未満の死亡例は、一覧Aではゼロ例、一覧Bでは2例でした。前回の資料ではゼロ例でしたので、2例でも少し驚いていました。ところが、ある日偶然に、一覧Dに、一覧AにもBにも存在しない死亡例が記載されていることに気づきました。そこで詳細に調べてみた結果、一覧AとBに記載されていない死亡例が、一覧Cで2例、一覧Dで3例存在することが判明しました。全部で、7例です。

今回一番驚いたことは、50歳未満の死亡例が急増したことではなく、5例もの死亡例が「心筋炎症例一覧」において記載漏れがあったという事実です。1例くらいであれば、ケアレスミスという考えることもできます。しかし、5例の記載漏れとなりますと、本当に単純なミスなのか疑問が残ります。心筋炎のデータは国民が注視していますので、データ作成担当者は、もっと集中して丁寧に仕事をしてほしと、私は思います。

50歳未満の心筋炎の死亡例を表にまとめてみました。

症例3は、日数が長いため偶発例の可能性があります。症例5は、日数が長めですが、発病日が5日後です。他の症例は、接種からほぼ2週間以内の死亡例であり、因果関係が強く疑われます。韓国
ニュージーランドでは、因果関係が認定された心筋炎の死亡例の報道がありました。日本では、因果関係が評価中の症例が、今後どのように判定されるのか、注視したいと思います。

50歳以上の心筋炎の死亡例も表にまとめてみました。50歳未満と同様に、記載漏れがありました。また、一覧Aには、二重に記載されていると考えられる死亡例が存在しました。同一症例で、一覧間で、接種から死亡までの日数が異なる症例2例ありました。データ集計のクオリティに疑問を感じざるを得ません。

高齢者の心筋炎の死亡は、なぜか全く問題にされません。その主たる理由は、高齢者ではアメリカのVSDにおいて、心筋炎の発病率は、接種群と非接種群との間で、有意差がなかったからのようです。ただし、接種後2週間以内の死亡が多いため、本当に問題にしなくてよいのか、若干の疑問を感じます。

私は反ワクチン派ではありませんので、50歳未満の死亡者の報告が急増したからといって、若年者のワクチン接種を直ちに中止せよと主張するつもりは全くありません。私が一貫して主張していることは、「接種後1週間は、激しい運動を控える」という注意喚起を公式にだすべきということです。

死亡例が報告されているわけですから、死亡の前日や当日の生活状態を調査するべきです。具体的には、運動、残業、睡眠不足、飲酒などです。そのような調査をすれば、どのような注意喚起をだすべきかのエビデンスを得ることができます。個人情報保護の観点から調査は難しい可能性もありますが、国民の命を守るための調査ですので、何とか工夫して実施してほしいと、私は思います。