「期待値コントロール」が同じ現実をより豊かにする

人間の感情と言うのは、現実と期待値とのギャップによって生まれます。

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例えば、高級ホテルでは、ちょっとした部屋の汚れがとても気になるのに、格安なビジネスホテルだったらある程度は仕方ないと思える。

あるいは、合格して当たり前の試験に落ちれば大きなショックを受けますが、ダメ元で受けた試験にまぐれでもパスすれば、大きな喜びです。

これは自分のことだけではなく、周囲との人間関係でも同じです。

相手に高い期待を与えてしまうと、現実とのギャップでがっかりさせてしまったり、不愉快な気分にさせてしまったりするのです。

例えば、仕事に対して高い評価をしてもらっていたのに、年俸交渉で年収アップしなければ、話が違うと落ち込むことになります。

逆に期待していない相手に嬉しい驚きを与えることができれば、その喜びを大きくすることができます。

例えば、お祝いされると思っていなかった誕生日にサプライズでたくさんの友人が集まってくれれば、普通の誕生会よりも感動するはずです。

つまり、事前の期待値を上げるよりはむしろ下げておく「期待値コントロール(エクスペクテーション・コントロール)」をしておいた方が、良いということになります。

毎日の生活でも、物事に対する期待値を下げるように意識する。また、周囲の人にも過剰な期待を持たせないようにし、むしろ想定を大きく上回るようなサプライズを提供することを心がける。

これは、最初から諦めて努力をしないということではありません。全力を尽くして、結果に対して過剰な期待をしないということです。

そんな気持ちの持ちようや相手への心遣いによって、同じ現実であっても有難いという感謝の気持ちが湧いてくるようになり、心豊かになることができるのです。

「事実は1つ、解釈は無限」

だとすれば、出来るだけ豊かな気持ちになれる期待値のコントロールをいつも意識した方が良いですね。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年11月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。