サラリーマン黄金時代の終焉
現在、日本人の9割はサラリーマンだ。その中の大組織で正社員として働く人を保護するために、非正規社員の人が激増し、江戸時代の身分制度のようになってしまっている。そして恵まれているはずのサラリーマンも、給料がもらえることが当たり前の感覚となった40代以上は“倦怠期”を迎える。
これは必然ではあるが、そんなサラリーマンマインドセットを育んでしまった人の比率が増えれば、会社は衰退していく。もはや、そんな人を養うほどの余裕は現在の会社にはない。会社に適応した結果、会社に見放されるという懸念は、今後ますます大きくなっていくだろう。
それを防ぐために、「新たな事業を生み出す人になれ」と「起業のすすめ さよなら、サラリーマン 」で、佐々木紀彦はわれわれを鼓舞するのだ。佐々木は元東洋経済オンライン編集長、元NewsPicks編集長を経て、現在はPIVOT株式会社を創業している。
起業家になるべき5つの理由
あなたが起業家になるべき5つの理由を佐々木は以下のように挙げている。
- サラリーマン思考からの卒業
- キャリアアップ
- 金銭的な報酬
- 人生の自由が得られる
- 社会を変えられる
5.の社会を変えられるというのは定義によるだろうが、1.から4.まではかなりの確率で達成できるだろう。
とくに4.のように仕事が選べるようになれば、多少金銭的な報酬が減少しても、とても有意義な人生になるのではないだろうか。退屈な仕事は文字通り人を殺すのだ。
起業にまつわる5つの誤解を解く
その上で、起業にまつわる5つの誤解を提示する。
- 若くないといけない
- お金持ちでないといけない
- 失敗すると借金地獄になる
- エリートしかなれない
- チャラくて尊敬されない
これらの誤解をていねいに反駁していく。カネ余りや代替わりのため、起業する環境はかつてなく整っている。生活のためにも、人生の充実のためにも、われわれは70歳でも80歳でも働かなくてはならないだろう。そのチャンスが今なのだ。
じぶんに適した起業家キャリアを選ぶ
そして、起業家と言っても、さまざまなパターンがあり、じぶんに適したものを選ぶことの重要性も説いている。
- 成長志向スタートアップ
- プロフェッショナル独立
- スモール&ミディアムビジネス(SMB)
- スタートアップ幹部
- 大企業イントラプレナー
スタートアップは無理だという人もいるだろうが、2.3.はそれなりに考えてキャリアを積めば達成するのは難しくないだろう。
そして最後に、それを成功させる5つのステップが述べられている。
コロナ禍よって、わたしたちは制度的にも人的にも限界を迎えた日本の現実を突き付けられた。それを打破できるのが佐々木のいう起業家精神なのだろう。
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