自分で行事の「あいさつ」すら考えられない国会議員、増える官僚負担

永田町と霞が関の馴れ合い慣習を打破せよ

こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」について
https://www5.cao.go.jp/keizai1/keizaitaisaku/2021/20211119_taisaku.pdf

ついに岸田内閣による追加の経済対策が閣議決定・正式発表されました。

10万円給付の中途半端さや、意地でも減税には踏み切らない合理性のなさなどが目に付きますが、細部にわたる膨大な資料にも目を通して、週明けからしっかり対案を考えていきたいと思います。

さて、週末の今日はこのニュースが話題になっていました。

議員のあいさつ文依頼、厚労省に1年で400件「へそ曲げぬよう…」
https://www.asahi.com/articles/ASPCN5W84PBFUCLV016.html

厚労省の官僚が、国会議員が出席する行事でのあいさつ文や講演会の資料作りをさせられているとの記事。

これは以前から指摘されていたことで、厚労省だけでなく調べれば他の省庁でもボロボロと事例が出てくるでしょう。

言うまでもないことですが、官僚は国会議員の部下ではありません。政府内に入っている大臣や政務官であればあいさつ文の作成などを行うのは業務ですが、国会議員とはむしろ立法府↔行政府と緊張関係にあるはずです。

こうした国会議員の政治活動を支えるために公設秘書制度があり、税金から人件費が支出されているわけであって、さらに国会議員が官僚を使役させているのであれば膨大なリソースの二重取りとも言えます。

与党議員だけでなく野党議員からの依頼も多数あったとのことで、いかに国会と霞が関の関係がズブズブになっていたかがわかる事例です。

というか率直にいって、行事でのあいさつを自分の言葉でできないようになったら、それはもう政治家を引退する時ではないでしょうか…そういう議員、よくいるけど。。

記事によると厚労省はこの調査結果を「公表する予定はない」とのことですが、国会議員の個別の名前までは出せないまでも、いかに本業を圧迫する理不尽な依頼があるのかという実態は明らかにするべきです。

深夜まで遅れる質問通告や恫喝的な野党合同ヒアリングなどに続き、このような国会議員が起点となって増えている官僚負担を是正していけば、霞が関は国家的シンクタンクとしての機能をまだ取り戻すことができるはずです。

なお、国会議員をサポートする機能としては衆参両院に様々な政策調査を依頼できる「調査室」などがありますし、先に述べたように公設秘書もいます。

私はもちろん官僚にこのようなあいさつ文を依頼したことはありませんが、ともすれば染まりがちな永田町の「常識・慣習」に毒されぬよう、ゆめゆめ今後も気をつけてまいりたいと思います。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2121年11月20日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。