人生で後悔するのは「失敗」よりも「機会損失」

60年近く生きてきて、人生を振り返ると「あの時あれをやっておけば」と思うことの方が「あの時にあれをやらなければ」と思うより圧倒的に多いことに気がつきます。

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チャレンジして失敗するよりも、チャレンジしなかったことを後悔しがちだと言うことです。

例えば、高校生のときには高校の時にしかできないことが、20代では20代にしかできないことがあります。

その時にやっておかなければ、もう同じことをやりたいと思っても、そのチャンスがなくなってしまいます。

私が高校生の頃、AFSというアメリカの高校への1年間の交換留学制度の募集がありました。チャレンジしたかったのですが、勇気がなく応募を諦めてしまいました。選ばれていたかどうかはわかりませんが、あの時に海外経験していればとの後悔が、今でも残っています。

「チャンスの女神に後ろ髪はない」と言われます。

自分の目の前をせっかくチャンスが通り過ぎていくのに、つかむのを躊躇しているうちに、逃げていってしまう。

そして、そのタイミングを逃せば、一生後悔することになるのです。

私の人生の大きな転機の1つは、35歳の時のマネックスへの転職でした。大学時代のクラスメートが4人で立ち上げた売上ゼロ、顧客ゼロのベンチャー企業に、大手外資系金融機関からの転職です。

安定した高収入の仕事から、収入も大きく下がる将来の保証のないベンチャーへの転職で、正直心が揺れました。でも、最後に決断できたのは「やらない後悔」を後から感じたくないという強い気持ちでした。

リスクの高いチャレンジでしたが、やって後悔することよりもやらなくて後悔することの方が大きいと思い、思い切って最終決断したのです。

結果はともあれ、自分が良いと思ったことに素直にリスクをとって決断できたことに、今も満足しています。

「死ぬこと以外はかすり傷」と言う言葉の通り、リスクを取ってもし失敗したとしても、いつでもやり直すことができます。

やって後悔することより、やらなくて後悔することの方が多い。私と同じようにそう考える人は、何かをやるかやらないか悩んだら、やってみるという判断をするように心がけるべきです。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年11月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。