パーソナルトレーナーが防犯カメラを使う理由

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知り合いのパーソナルトレーナーが、西麻布でパーソナルジムを開業することになったと案内がありました。

最新のマシンを使って本格的な筋トレを指導してもらえます。

トレーニングをするのであれば、ジムの会員になって自分でマシントレーニングするより、断然パーソナルトレーナーに付くべきです。

自分の目的に合ったメニュを作ってもらい、毎回正しい方法でサポートしてもらいながら、ギリギリの負荷まで追い込んでもらう。

自分で最適なメニュを作ることは素人にはできませんし、毎回のトレーニングも自己満足に終わっては勿体ないです。

確かにお金はかかりますが、ジムで我流でやる方が、結局お金と時間の無駄遣いになる可能性が高いのです。

新しいトレーニングスタジオの仕様を聞いて意外だったのは、スタジオに監視カメラを導入するという話でした。

高級なマシンを導入するので盗難防止のためと思いきや、「冤罪リスク」から自分を守るためだそうです。

冤罪とは、利用者とのトラブルです。

パーソナルトレーニングはマンツーマンの密室の指導になるので、特に男性トレーナーが女性を指導する際、セクハラ行為を告発されたりすることもあるそうです。

身に覚えのない濡れ衣を着せられた時のために、録画しておくという訳です。

また、利用者は顔見知りか、その紹介者に限定するそうです。これも、まったく素性のわからない人がメンバーになって、トラブルを起こされるリスクを避けるためだそうです。集客に苦労しない人気トレーナーであれば、運営者側から顧客の絞り込みを行う。これも当然の選択と言えます。

SNSの普及によって、良い評判も悪い評判もあっという間に広がり、それがビジネスに大きく影響するようになりました。もし根も葉もない「セクハラトレーナー」という噂が拡散されれば、事実かどうかに関係なく、事業が継続できなくなってしまうかもしれません。

街中に防犯カメラが設置され、犯罪者の行動が簡単に分析されてしまうようになりました。パーソナルジムでも同じように、証拠を確保するために防犯カメラを導入という話に、何だか時代の大きな変化を感じてしまいます。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年12月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。