10万円給付を自治体が「現金」でする裁量を政府は最初から認めよ

こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

政府の迷走が続く政府の「10万円給付」問題。現金支給ができる条件がいまだに明確にならず、

「6月末までに無理な場合のみ現金支給可能」

という情報が独り歩きするなど、混迷を極めています(本日10日17時に内閣官房担当者に、6月末までに無理な場合のみ~情報は確定ではない旨を確認)。

自民党と公明党の妥協・選挙目当てのパフォーマンスから始まり、見切り発車で自治体を振り回す対応には怒りを禁じえませんが、本日の参議院本会議・代表質問にて一つ進展がありました。

それは維新・浅田均参院会長の質疑に対して、岸田総理が

「この現金給付事業は、自治体の『自治事務』である」

と明確に答弁したことです。

これは以前から高橋洋一氏らが指摘していたことですが、自治体の業務は大きく「法定受託事務」と「自治事務」に大別されます。そして「自治事務」には政府は大きく介入できないのです。

「法定受託事務」とは国が本来果たすべきものを、法令に基づいて地方自治体に委託したもので、それゆえに国の強い関与(強制執行など)が認められています。

一方で上記の法定受託事務を除く「自治事務」は、文字通り「自治」つまり裁量が地方自治体に認められている部分で、国の関与はかなりの程度まで限定されています。

総務省HPより

今回の10万円給付は、選挙や戸籍管理のように法令に基づいて地方自治体が行う法定受託事務ではないため、当然に自治事務です。それが今日の答弁で確定しました。

つまり、地方自治体がその手法として、「いやうちはクーポンではなくて、現金で支給・予算を執行します」と決断しても、国は是正の要求までしかできないのです。

ならば、はじめから現金を選択できる裁量を認めるべきだという、当たり前の論理的帰結になります。

ただし、以上はあくまでも制度上・理屈上の話。

いくら自治事務で国は「是正の要求」までしかできないとはいえ、国に逆らえばその後にどんな冷遇をされるかと想像すると、各自治体は軽々には踏み切れないというのが実際の懐事情でしょう。

国はこのような制度外の「無言の圧力・同調圧力」を使うのではなく、きちんと自治体の裁量を大幅に認めるなり、制度設計の過程でその意見を聴取して自治体現場が納得できるものを作る努力をするべきです。

key05/iStock

コロナ対策の当初から変わらぬ、この法令に基づかぬ強引なやり方に対して、地方自治体の不満は爆発寸前になっています。

このまま頑なにクーポン遵守路線を政府が曲げなければ、さらに自治体格差や混乱が生み出される恐れもあります。

あくまで「自治事務」の本件では自治体の意志が最優先で運用が正式決定されるよう、来週の予算委員会でも引き続き強く提言をしてまいります。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2021年12月10日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。