オミクロンは危険だと煽るメディアや医療関係者

重症者がいないのに突然死者が湧いてでてくる謎

コロナが怖い、コロナこそ恐怖の神であるコロナ真理教の間ではいま、「コロナはデルタを超えた」というのが合い言葉です。だいたいデルタを超えるくらいの死者なら周囲に被害者が出るはずだが、Facebookの500人友人のわたしはデルタでは3人が中等症、1人が重症になったがオミクロンでそんなのは1人もいないわ。

コロナ死者、過去最多

国内で8日に報告された新型コロナウイルス感染の死者が155人となった。神戸市が1カ月半分の死者をまとめて計上した昨年5月18日を除けば、過去最多。

みたいな馬鹿げた報道があり、それを丸呑みしています。

たとえば北海道は


重症者はほとんどいないのに死者がワイワイ増えています。

このからくりは前に書きました。

市中感染率8%なら「統計上だけ」のコロナ死者は増えて当たり前
厚労省は第6波の致死率がインフル並みと認めた 昨日の厚労省のコロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(メンバーには西浦関も)で発表されたデータ。まとめたのは藤井先生。 すでに第6波ではデルタも混じるのにインフルエンザと同...

同じ事は読売新聞も書いていて、

重症ゼロなのに、なぜか「死者6人」の県…原因は「厚労省ルール」か

死者数の統計の意味合いをさらに分かりにくくしているのが、厚労省が「亡くなった後の検査で陽性が判明した人」も死者に数えるよう推奨している点だ。「全国的な感染状況を把握するため」というのが理由だが、医療機関では全ての死者を検査することは人員的にも難しい。県立中央病院では基本的に、〈1〉発熱や呼吸困難などコロナに起因する可能性がある症状を持つ人〈2〉同居の家族らに陽性者がいる人――のいずれかに該当する人について、亡くなった後に検査を行っている。感染力が強い変異株「オミクロン株」が流行している現状では、検査するほど陽性者が出る確率は高くなり、「コロナの死者」も増えることになる。

とまあ、わたしと全く同じ見解です。

ちょっとググるとこんな記事がたくさん

【続報】オミクロン株疑いで初の死者 2人死亡 死因は「誤えん性肺炎」佐賀県

市中感染率が高いと、コロナが直接死因でなくても
厚労省ルールで見た目の死者数が跳ね上がる

ということなのです。厚労省ルールはきちんと厚労省のサイトに現存しています。

新型コロナウイルス感染症患者が死亡したときは、厳密な死因を問わずとりあえず計上しろということなのですが、この通達は一昨年の6月。ここまでのオミクロンの蔓延を予知していなかったときのものです。それが弊害を生んでいるのです。

こちらは厚労省のアドバイザリーボードの資料ですが


市中感染率を8%とされています。日本では毎日、コロナに関係なくガンや脳梗塞や心筋梗塞で3500人以上が死んでいます。そのうち240人はコロナに感染している可能性があるわけで、入院中の人はリスクが少ないとしても1日100人くらいはその可能性があるでしょう。実際、東京都の死者を見ますと


診断日から死亡まで当日から1~2日というケースが多発しています。


通常、コロナでは発症からすぐ亡くなる人はほとんどいません。よってこの人たちは事故や発作で入院時に検査で陽性発覚→そのまま亡くなったであろう事が容易に推測できます。

まあしかし、よく分からないという人は10%以上いるわけです。

オミクロンは危険だと煽るメディアや医療関係者

ところがこうした状況をガン無視して、オミクロンは危険だと煽る人たちがいます。

オミクロンの致死率については厚労省のアドバイザリーボードの資料で

全体でデルタを含めた第6波の致死率は0.04%ですのでインフルエンザと同等なわけですが・・・たとえばコロナ煽りの最右翼であるJBpressでは

実は死亡者の多いオミクロン株、軽症・弱毒は大うそ

という、これもまた私と同じ医師や専門家ではない素人の妄想的な文章をあげ、これを振りかざして突進してくるコロナ真理教徒がたくさんいます。まずこの記事でおかしいのは

厚労省の指示には全く触れず、死者=オミクロンの死者としている

という点です。つじつまが合わないのでそれを

オミクロンは軽症でも死ぬ

と全く証拠もないのに強引に結論づけ、それを多くのコロナ真理教徒は「オミクロンは軽症でも死ぬ」と騒ぎ立てていますがそれこそが厚労省ルールの証拠です。

Mlenny/iStock

仮にオミクロンは軽症でも死ぬなら、感染が蔓延する前の1月にも死者は出ていないといけない。市中感染率が大幅に上がってから急に死者が現れだしたのがこの説が間違っている証拠です。

寝たきりや闘病中の高齢者がかかると隠れ重症者?

さすがにきちんと取材をする大手メディアではこんな馬鹿げた炬燵記事は書きません。

「隠れ重症者」への対応課題に 逼迫する医療の現場

大阪府によると、2月1日時点で重症者の確保病床(612床)の使用率は11.8%に抑えられている。ただこれとは別に、コロナが軽症・中等症でも他の病気やけがが重いとして、重症病床を使っている患者が50人いる。こうした「隠れ重症者」(吉村氏)を含めた重症病床の実質的使用率は、実に19.9%に上っている。15床の重症病床を確保する近畿大病院(大阪府大阪狭山市)では2月1日時点で10床が埋まった。東田有智(とうだゆうぢ)病院長によると、うち約半数はがんや自己免疫疾患などの持病がある隠れ重症者。「コロナによる重症患者の対応に追われた第5波以前とは様子が違う」と明かす。

もともと重症の人がコロナに罹患する

コロナは軽症でも重症扱い

当然亡くなったら死因はコロナ

ということになります。

つまりいまのコロナ死者の大半はコロナが死因でないケースか、もともと重病で余命が短かった人が罹患して亡くなったケースが大半ということができます。

オミクロンは軽症でも普通の人がバタバタ死ぬというのは非科学的

数字が示すコロナ死の実態

重症者がいないのに死者だけドカドカ出るケースは10都道府県に限られ、その死者数だけで全体の20%を占める。という異常事態になる。ココで「コロナは軽症でも死ぬ」という事が科学的に正しいなら、「すべての県で同様に重症者がいないのに死者だけドカドカ出る」という事象にならないといけない。それが法則性であり、科学的な知見である。法則性がなく47都道府県のうち10県だけでおかしな事が起きているなら、それはそこに何か問題があるからです。

おそらく律儀に厚労省の通達を守って「新型コロナウイルス感染症患者が死亡したときは、厳密な死因を問わずとりあえず計上」しているのは確実だと思います。きちんとしたメディアにはそれを取材して貰いたいし、心ある議員は国会で厚労省に質問して頂きたいと思います。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2022年2月9日の記事より転載させていただきました。