以前こちらのブログで紹介したように、この30年に渡って海外での名目賃金が大きく上昇しているにも関わらず、国内の賃金は上昇していません。購買力平価で比較すると、今や韓国やイタリアよりも賃金が安くなっていると言われています。
日本は労働生産性が低く、国内では低賃金のままで海外との格差は広がるばかりです。
そのような、世界から見て「貧乏になっている」日本にいても、あまりそれを感じないのは、日本国内の物価水準が低位安定しているからです。
また、コロナ禍で海外に行く機会が少なく、海外の物価の高さを実感する日本人が少ないことも影響しています。
しかし、そんな貧乏でも平和で暮らしやすかった日本にも、いよいよ大きな変化が訪れようとしています。
1つはインフレです。国内の消費者物価指数は数値上では低位安定が続いていますが、エネルギー価格の上昇や、海外からの輸入品の価格引き上げによって、価格に転嫁せざるをえない状況になってきています。
すでに一部の生活必需品は年明けから値上げが始まっており、電気代などもこれからさらに上昇する可能性が高くなっています。
物価が上昇しなければ、給料が横ばいでも目先では困る事はありません。しかし、インフレになれば着実に実質所得は減り、保有している預貯金の価値も目減りしていきます。
インフレに追い打ちをかける可能性があるのが、円安です。
日銀が「指し値オペ」と言う方法で、週明けから長期金利の上昇を抑えることを発表しました。
海外の金利が上昇し、日本の金利が政策的に低いまま維持されれば、金利差拡大から円安のリスクが高まります。
円安とは円の他の通貨に対する価値の下落です。資産の大半を日本円で持っている日本人の資産が、実質的に目減りしていくことになるのです。
インフレと円安によって、ますます貧乏になっていく日本人。給与の上がらない仕事をしながら、預貯金だけをしている人に、一番大きくそのしわ寄せがいくことになります。
これからの経済変動は、日本人全体を貧乏にするだけではなく、仕事の内容や保有している資産によって、格差も大きく拡大させていくことになるでしょう。
では、どうしたら良いのか?
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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2022年2月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。