50歳未満接種後死亡の接種1回目と2回目では、死亡メカニズムが異なる可能性がある

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VBAのプログラム改良により、ファイザーとモデルナの接種後死亡者データが同時に集計可能となりました。また、設定変更により、様々な条件下のグラフの作成が可能となり、それらの比較が容易になりました。それらのグラフを比較検討した結果、興味深い事実が判明しました。

データは、厚労省が公開している「ファイザー社製ワクチン接種後の死亡報告事例の概要」および
「モデルナ社製ワクチン接種後の死亡報告事例の概要」を使用しています。なお、接種日が不明と記述されている症例は除外してあります。また、ごく一部の日付に不規則な記述がみられ、その場合はデータが正しく取得できないため、人数には若干の誤差があることは、ご容赦ください。

次の4つの群を設定して、それぞれグラフを作成しました。

  1. 50歳未満、接種1回目
  2. 50歳未満、接種2回目
  3. 50歳以上、接種1回目
  4. 50歳以上、接種2回目

比較した結果、a群のグラフのみ異質であることが判明しました。a群のグラフでは、他の群と比べて死亡者は比較的均等に分布しています。これは、偶発的な死亡者が多いことを示唆しています。これに対して、b群、c群、d群のグラフでは、死亡は7日以内に集中しています。7日以内の集中は、死亡は偶発的ではなく、死亡とワクチン接種に因果関係があることを示唆しています。

では、実際のグラフを見てみます。

a群:50歳未満、接種1回目の人のグラフです。比較的均等に死亡者が分布しています。

b群、c群、d群では、死亡は、接種後7日以内に集中しています。a群のみ異質なグラフです。

a群のグラフは次のことを示唆しています。

  • a群では、偶発的な死亡が多い。
  • a群では、報告バイアスのかかり方は、接種後9日以内は軽度である。

偶発的死亡が多く、かつ報告バイアスが軽度でなければ、a群のようなグラフにはなりません。

厚労省は、接種後死亡は偶発的なものだと主張しています。これに対して、「接種後死亡者は、偶発的死亡者と接種と因果関係のある死亡者との合算である」と、私は考えています。

a群では、

偶発的死亡者 > 接種と因果関係のある死亡者

b群、c群、d群では、

接種と因果関係のある死亡者 > 偶発的死亡者

なのだと、私は推測します。

報告バイアスとは、報告する医師が、接種からの間隔があくほど「因果関係がないと判断する確率」が高くなる現象のことです。a群で、接種後9日以内は報告バイアスのかかり方が軽度という点は、注目すべき事実です。a群で報告バイアスが軽度なのであれば、同様に接種後9日以内であれば、b群c群d群でも報告バイアスも、軽度のはずです。a群のみ報告バイアスが軽度であり、b群c群d群には強い報告バイアスがかかっていると考えるのは、不自然です。

これまで、死亡者が接種後7日以内に集中していたとしても、報告バイアスがかかっているから、因果関係があるとは断言できないと考えてきました。今回、a群のグラフにより、実際には接種後9日以内であれば、報告バイアスは軽度である可能性が高いことが示されました。したがって、b群c群d群では、接種後9日以内であれば、死亡とワクチン接種には因果関係がある可能性が高くなったと、私は判断します。

偶発性の検証は、最終的にはマイナンバーなどを用いた検証が必須です。ただ、今回の分析により、核心に少し近づけたのは確かだと思います。