対岸の火事ではないウクライナ情勢。

起きてしまった軍事侵攻は止めることが困難、やるべきことは…

こんにちは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。

ついにロシアによるウクライナ軍事侵攻が始まりました。党としても私個人としても、このロシアの侵略行為には強く批判の声を上げたいと思います。

多くの識者たちがすでに指摘をしている通り、これは遠く離れた日本にとっても決して「対岸の火事」ではありません。

Oleksii Liskonih/iStock

今回、ロシアが軍事侵攻を行うにあたって用意したスキーム、

ウクライナ内に親ロ派勢力を成長させ、「独立」を宣言させる

「独立」を「承認」し、その国からの「要請」に応える形で「平和維持軍」を派遣する

これはそっくりそのまま他の覇権国家も模倣できるものであるからです。具体的に想定されるのは、何よりも台湾でしょう。

実際に中国はいま、ロシアを擁護する姿勢を鮮明にしています。同じスキームを中国が台湾に対して発動する可能性は極めて高くなったと指摘をせざるを得ません。

もちろんこのようなスキームは誰がみても欺瞞ですし、明らかに国際法上も問題のある侵略行為です。

しかし一方で、一度起きてしまった軍事侵攻を止めることは極めて困難であるという現実に直面しています。

NATOもアメリカも軍隊を派遣することには現時点で慎重な構えを見せていますし、全面戦争を回避するために慎重にならざるをえないのは当然とも言えます。

今打てる手としては強い経済制裁によりボディーブローのようにロシアを締め上げていくことしかありませんが、先述の通り大国・中国がその経済制裁に同調しないとすれば、「抜け穴」が大きすぎてその制裁効果も極めて効果の薄いものになってしまいます。

まさに八方塞がりとも言える状態で、アメリカはその情報網によりかなり正確にロシアの動向を把握することには成功していたものの、それを止めることは結果的にできませんでした。

起きてしまった軍事侵攻を止める・実効支配を覆すことは極めて難しい。

ならばやはりできることは、抑止力を高めていくことでしょう。

我が国に当てはめて見れば、防衛力の大幅な増強や台湾有事の際の具体的なガイドラインの作成、そして尖閣諸島の実効支配力の強化などが急務であると言えます。

そして中国の動向により効果は限定的になるとはいえ、可能な限りの経済制裁や場合によっては国連の介入により(常任理事国に中露がいるので不可能と思われますが…)、とにかく今回の侵略行為を「成功」させないことも極めて重要です。

今回のロシアの、武力による現状変更がまかり通ってしまえば文字通り、戦後秩序の崩壊が始まりかねません。安全保障上、我が国も世界も今世紀もっとも危機的な状況を迎えたと断言できます

明日以降も参議院では予算委員会が続きますが、緊張感をもって対政府質疑に臨んでまいりたいと存じます。

動画でもコメントしました。

それでは。また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2022年2月24日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。