ロシアのウクライナ侵略について、元首相が「ドイツから東に拡大しないという約束を破ったNATOが悪い」と言っています。
忘れられてる事実がある。東西ドイツ統一の時、嫌がるソ連を納得させるため、米独はNATOをドイツから東に1インチも拡大させないと約束した。ところが約束は破られNATOは東方拡大し遂にウクライナまで近づいた。G7側はドイツ統一の時に約束したようにこれ以上緊張を高めることはしないと言うべきだ。
— 鳩山友紀夫(由紀夫)Yukio Hatoyama (@hatoyamayukio) February 22, 2022
侵略する国とされる国が「どっちもどっち」という話は、さすがに野党もいいませんが、れいわ新選組だけは別です。「米欧主要国がソ連邦崩壊時の約束であるNATO東方拡大せず、を反故にしてきたことなどに目を向ける」という条件をつけ、ロシア非難の国会決議に3人だけ反対しました。
【声明】ロシアによるウクライナ侵略を非難する決議について(れいわ新選組 2022年2月28日)
を公開いたしました。https://t.co/b3Zxhb3tSc— れいわ新選組 (@reiwashinsen) February 28, 2022
維新も「どっちもどっち」派なんでしょうか。橋下徹さんも「NATOの東方拡大」を強調しています。
橋下徹氏 NATOとEUの無責任を追及「ウクライナがんばれ!って言葉だけ」(東スポWeb)
➡︎本来はNATOが前面に出るべき話。NATO東方拡大に制限をかけるのか、それともロシアの要求を突っぱねて戦うのか。ここまでやっているウクライナのNATO加盟は認めるんやろな https://t.co/I3I4Czb3Er— 橋下徹 (@hashimoto_lo) February 26, 2022
維新の鈴木宗男さんも「戦争の原因はウクライナの挑発と脅しだ」と言っています。
「ロシアの国際法違反は何か?」と岸田さんに質問して、きっちり岸田さんが答えた後に、
「国連憲章はあっても国際法は明文化されてないから存在しない」って言い出す今日の鈴木宗男に本当引いた。 pic.twitter.com/ZFLPGSMm2d— hakkimm (@hakkimm20) February 28, 2022
この人も一応、元は国際政治学者ですが…
欧州に留学し、欧州大陸の安全保障史を研究してきた立場からは、ゼレンスキー大統領は地政学、歴史を無視した無能な政治家だ。ロシアの攻撃を招いた失策の責任は免れない。ロシアの国際法違反を私は弾劾するが、ウクライナの指導者の問題点も指摘すべきだ。政治は結果責任だ。https://t.co/MlQ4dHaFgX
— 舛添要一 (@MasuzoeYoichi) February 28, 2022
国際政治の専門家は「とんでもない話だ」と激怒。
NATO東方拡大が間違いだった、という言説は、看過できないですね。
NATO東方拡大がなければ、現在のNATO加盟諸国を含む東欧全域が、今のウクライナみたいになっていたはず。 https://t.co/Otat3sWw7Y— 篠田英朗 Hideaki SHINODA (@ShinodaHideaki) March 1, 2022
そもそも「東方拡大しない」という約束があったわけではありません。
NATO東方拡大をしないという「約束」があったことについて、それが存在しないのは常識で、ウクライナ侵略に用いたプロパガンダと書きました。詳しくはこちらをお読み下さい。ロシア語での資料、情報にも触れて、詳細に説明が書かれておりますので。「https://t.co/W86KrAbFxI
— Yuichi Hosoya 細谷雄一 (@Yuichi_Hosoya) February 28, 2022
プーチン大統領は侵略前の演説で「ウクライナのNATO加盟が脅威だ」と主張しました。安倍元首相にも一貫してそう言っていたようです。
プーチン氏、かつて安倍元首相に「NATOの東方拡大への不満」伝えていたhttps://t.co/BciPmygyMT#政治
— 読売新聞オンライン (@Yomiuri_Online) February 27, 2022
でもそれはプーチンが2014年のクリミア併合(これも侵略と呼んだほうがいい)を正当化するために、後からつけた理屈です。それを承認した国はほとんどありません。
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