政策提案活動の計画を立てるために必要なこと

政策提案活動の計画を立てた方がよいワケ

筋トレでも貯金の計画でもいいのですが、今年はこれを実現しようと、年初めに計画を立てる方はいらっしゃいますか?

ちゃんと計画通りに進んでいる方もいるかもしれませんが、1月に立てたその計画を実現できずにあきらめてしまった、という方もこの時期になると増えてくるのではないでしょうか。

MasaoTaira/iStock

あきらめてしまった理由として、そもそも計画に定めた日々の活動が非現実的だった、ということもあるかもしれません。毎日キャベツの千切りを食べて、浮いたお金を貯金に回す、という計画は、おそらくうまく回らないでしょう。途中できっと脂っこい食事の誘惑から逃れられなくなってしまいそうです。

必ず発生する年間のイベントを無視した計画を立ててしまった、ということもありそうです。パートナーの誕生日が1月にあるのに、そのことを計画に盛り込んでいなかったとしたら、想定外の費用支出が発生します。他の月の貯金額で穴埋めできず、結局年間の貯金の目標額を達成することは難しくなってしまうでしょう。

なぜこんな話をしたかというと、政策提案にもこの計画(戦略)づくりがとても重要だからです。

自分自身でコントロールできそうな個人的な目標ですら、達成することが難しいのです。多様なステイクホルダーが登場する政策提案の実現を目指す場合には、すべて自分の思い通りにことが進むことは皆無です。なおさら、色々なパターンを想定しながら、しっかりした計画をはじめに立てることが必要になります。

貯金や筋トレと違って、政策実現は官僚や政治家の意向、社会情勢の変化に左右されます。

良い計画をたてたからといって、すべてその通りには行きません。何らかの事情で提案しようとしている事柄について世論が盛り上がって、急に進むことになって慌てることもありえます。逆に、政府内で他の重大な優先事項がでてきてしまい、自分が提案している事柄が後回しにならざるを得ないという事態もありえます。

コロナや戦争などは、まさにその最たるものでしょう。計画を立てた後も、常に柔軟な対応が求められますが、そのためにも、少なくとも想定されるイベントを考慮し、いくつかのパターンも想定しながら質の高い計画をはじめに考えておくことが重要です。

今回は、政策提案を実現したい、と考える皆さんが計画を立てるにあたって、必ず考慮すべき事項について、お示ししていきます。

(執筆:西川貴清 監修:千正康裕)

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編集部より:この記事は元厚生労働省、千正康裕氏(株式会社千正組代表取締役)のnote 2022年3月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。