ウクライナからの国外への避難民は400万人を超えるか:ベトナム化の怖れ

ウクライナからの国外への避難民は400万人を超える予測と予想されている。

ウクライナから脱出する避難民は500万人になると推測

国連難民高等弁務官事務所ではウクライナからおよそ400万人が脱出すると予測している。しかし、ロシアからの攻撃が過激化している中で避難民は500万人に及ぶようになると推測されている。

人口4400万人とされているウクライナでは今回のロシアによる侵攻の開始前まで、2002年からの経済不況と2014年のクリミアのロシアによる併合とで600万人が既に国を去っている。その内の200万人がポーランドそして300万人がロシアに移民している。スペインにもウクライナ人が移民している。筆者はその一人と懇意にしていたが現在連絡が取れないでいる。

そして今回ロシア軍が侵攻を開始して僅か1週間で100万人が国を去った。その半数がポーランドに避難している。人口3800万人のポーランドはこれから多くのウクライナ人を保護せねばならない状況になる。今のところポーランド政府は無条件でウクライナからの避難民を受け入れている。

その次にウクライナ人が目指す国はハンガリー、モルダビア、スロベキア、ルーマニア、そして親ロシア派はロシアに入国している。

国内に留まってもロシアによるミサイルなどによる激しい攻撃で電気やガスの無い生活を余儀なくさせられている人たちが多くいる。夜も明かりをつけるのは出来るだけ控えるようにしているという。ロシア軍による攻撃の対処にされるからである。

多くの避難民は安全な国に移動する以外に目的はない

隣国に避難しているのは、女性と子供たちだ。彼らに同伴している男性は家族を安全な場所まで連れて来た後はまた国の戻ることを決心している。ロシアの攻撃から国を守るためである。18歳から60歳までの男性は戦闘員として戦うことが義務付けられているからだ。避難民の中には彼らの住居が破壊されている家族も多くいる。

隣国に避難した女性や子供たちの多くは避難先で特別にやるべきことがあるわけではない。多くの避難民は安全な場所に避難するという目的以外に何もないのである。勿論、ウクライナからの移民が多いポーランドのように家族や親戚の人たちが既にそこに住んでいる場合は彼らを頼って向かう人たちもいる。

筆者が在住しているバレンシアにも最初の避難民として母親と子供から成る14家族44人が3月7日に到着している。スペインが外国の子供をサマーバケーションで一時的に受け入れるNGO組織フントス・ポル・ビダ(Juntos por vida)が緊急に活動してウクライナの家族を受けれることにしたものだ。(3月7日付「エラルド」から引用)。

ロシアの攻撃の被害を受けた原子炉があるザポロジェに在住のソフィア・ホロダリナさん(14歳)の場合は今夏にバケーションでスペイン・バレンシア州のトレビエハ市に母親と一緒にバケーションで行く予定にしていたのを今回急遽早めて現地に行くことにしたそうだ。母親の姉がそこに住んでいるというのが縁だ。ソフィアさんはスペインに行くことができて「プーチン、ありがとう」と言って喜んでいるそうだ。(3月6日付「エル・パイス」から引用)。

この2つは恵まれたケースだ。しかし大半の子供たちはこれからも避難先で寒さの中厳しい生活を余儀なくさせられることになる。戦争による被害を最も受けるのは罪のまったくない子供たちである。12歳くらいになると物心がついて事情が分かるようになるが、10歳以下の子供たちにはそれは無理である。そして今後は食料や住居でも不自由な生活を余儀なくさせられるのは必至だ。

筆者にも10歳と6歳の孫がいるが、この年齢でウクライナの子供が家も無くし外国で避難生活を送らねばならなくなるというのは実に不憫だ。これもすべて精神病質者プーチン大統領の仕業によるものだ。

志願兵としてマドリードから帰国

逆に志願兵としてスペインからウクライナに向かった23歳の青年もいる。マドリード州に5年前から在住している彼の母親ナタリア・ビアレツカさんの長男ロマンさんが母親の郷里ストルィーで戦闘員として戦うことを決意しウクライナに向かったのである。母親と妹は反対したが必ず戻って来ると約束してウクライナに向かったそうだ。(3月3日付「エル・パイス」から引用)。

愛国心で溢れるウクライナ人が自国をロシア軍の前にベトナム化させるかもしれない。