BBCによると、ポーランドのドゥダ大統領は13日、ロシアがウクライナで化学兵器を使用すれば、NATOは対応を真剣に検討する必要が出てくるとの考えを述べました。
化学兵器に「真剣対処」を ポーランド大統領 https://t.co/ed5Xzz9G9h
隣国ウクライナに侵攻したロシアが化学兵器などの大量破壊兵器を使った場合は「欧州にとどまらず世界全体が危険な状況となる」と述べ、北大西洋条約機構(NATO)が「対処策を真剣に考える必要がある」と訴えた。
— 産経ニュース (@Sankei_news) March 13, 2022
バイデン米大統領は11日、実際に生物・化学兵器を使用すれば「厳しい代償を払わせる」と、ロシアが生物・化学兵器を使うことへの警戒が強まっています。
ロシアの戦略はエスカレーションしてきています。
ウクライナから政治的降伏を引き出すために、どのような衝撃を与えるのが効果的かという観点で言えば、通常兵器による戦略砲爆撃から限定核使用に移行する前に、化学兵器使用がオプションに入っているはず。ただ、これをきっかけに米NATOが介入してくる恐れがあるので、それを核恫喝で封じるという戦略
— Masashi MURANO🚀 (@show_murano) March 13, 2022
ロシアは「偽旗作戦」を展開するのは目に見えています。すでにロシア軍は、ベラルーシのウクライナ国境付近の集落にロシア軍機による空爆を行ったり、アメリカがウクライナで生物兵器を開発しているという主張を行ったりしています。
ロシアが化学兵器を使用する場合、必ず「偽旗作戦」を使ってくる(もはや作戦ではないくらいに稚拙であっても)。日本政府も、「もしウクライナで化学兵器が使われたら、それはロシアが使ったということだ」と声明を出してほしい。アメリカやウクライナ以外の国が言う必要がある。それが抑止になる。 https://t.co/akqEdtCj5K
— 篠田英朗 Hideaki SHINODA (@ShinodaHideaki) March 14, 2022
たとえ稚拙であっても、この手法はシリアで実証済です。
シリアでロシアとアサド政権合作で繰り返された、はや黄金パターン。「生物・化学兵器作ってるぞ、使用したぞ」と虚偽情報で騒ぎ、自分たちで使う。殺害し、殺害の責任すら相手に負わせ、介入したくない部外者に嘘をう受け入れさせる、三重の攻撃。 https://t.co/rj3xQwhqjt
— Satoshi Ikeuchi 池内恵 (@chutoislam) March 10, 2022
生物兵器は、病原体(ウイルス、細菌、真菌)とそれらが産生する毒素を搭載した兵器を指し、炭疽菌などがあります。2001年のアメリカ炭疽菌事件、日本ではオウム真理教によって未遂に終わった事件があります。
一方、化学兵器とは、体内システムを攻撃する毒素や化学物質を搭載した兵器を指します。サリンやVX神経剤はわずかな量で人ひとりを殺すのに十分だと言われています。最近ではシリア政府による反政府軍との戦争で使用されました。この際、シリアの後ろ盾となったロシアは黙認しています。日本でもオウム真理教が使用しています。
これらの物質の使用は、ロシアを含む大多数の国が署名した1972年の生物兵器禁止条約、1997年の化学兵器禁止条約で、厳しく禁止されています。