英米独で話題を呼ぶゼレンスキー演説

ゼレンスキー大統領の各国での演説が大きな話題と波紋を生んでいます。

ゼレンスキー大統領 同大統領FBより DKosig/iStock

最初に行ったイギリス議会では、シェイクスピアやチャーチルを引用し、イギリスのアッパークラスのツボを見事に突いたようです。

アメリカの連邦議会でも、スタンディングオベーションで迎えられました。ロシアの侵略をパールハーバー(真珠湾攻撃)や9.11と結びつけ、アメリカ国民の涙腺をおおいに刺激しましたが、日本では冷めてしまう人も多かったようです。

エラー

ナザレンコ・アンドリーさんもこの点に関しては、不適切で残念だったと述べています。

https://twitter.com/nippon_ukuraina/status/1504311501968261120

もちろん、理解を示す声もあります。

そして、バイデン大統領はこの後、プーチン大統領を「戦争犯罪人(war criminal)」と呼ぶに至りました。

Ukraine conflict: Biden brands Putin a 'war criminal'
The off-the-cuff remark prompts Russia to call the comment "unforgiveable rhetoric".

ドイツ連邦議会でも、ビデオ演説をしています。

時事ドットコム

ゼレンスキー大統領は、ドイツの支援に謝意を示しましたが、ドイツはロシアとの経済関係を深めて戦費を稼がせた上、ウクライナのNATO加盟などの要望をはぐらかし、ウクライナと欧州の間に「新たな壁」をつくることに加担してきたと批判を展開しました。

ドイツ人は引きましたが、欧州人には突き刺さったようです。

パイプラインが切れたら生きていけないのに、原子力発電所を止めたドイツの自殺的なエネルギー政策が、プーチンに侵略の動機になったことは明らかです。こう言われてもしかたありません。

カナダでも熱狂的に迎えられました。

ゼレンスキー大統領の攻めた演説は、賛否両論含め、人々を引き込む大きな力があります。日本も国際社会の中で主体性を発揮できるでしょうか。それとも、今後も国際関係のうねりに翻弄されつづけるのでしょうか。

日本にはますます戦略的な思考・行動が必要になってきます。

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