大停電が現実に。切迫する電力
22日朝の予報です。
いま朝の10時ですが、ピークは午後の16時あたりの模様。ヤバいのは東北電力と東京電力、北陸電力管内。
12時現在。静岡と神奈川の一部で停電
思えば10年前の今頃、3.11のあとで東京では計画停電がありました。夕方の2時間。住宅街は真っ暗でめちゃくちゃ寒くてなにもすることがない。ブックパソコンはバッテリーが切れちゃうし、布団に潜って暖を取るしか無い。この経験から我が家ではハイブリッドカーに100Vの電源をふたつオプションで付けてあり、電灯とご飯炊くくらいはできるようにしました。
電力需要は異例の高水準、需給次第でさらなる節電要請も=萩生田経産相
先日の地震による火力発電所の停止。寒の戻りの低温に荒天で太陽光発電機能せずという、なんでこんなことを予想もしていなかったのか的な話ですが、去年を見ますと11月と7月あたりも危なかった。
ロシアのこともあり、日本の火力発電の燃料である石炭とLNGが高騰しています。LNGはロシアから8%、石炭は6.5%を輸入。
LPG価格推移
しかし原発再稼働は日本ではタブーに近い
脱原子力でロシアにエネルギーの大半を頼っていたドイツはいまや崖っぷち。日本もいま、脱炭素もあり稼働停止中の原発をどうするかを真剣に考えるときに来ています。
しかしながら、いまの政府は原子力委員会に判断を丸投げして自分は責任を負わない。委員会は学者だから経済は考えず、確率も考えないでとにかく安全だけを言う。つまり
コロナ対策と同じ誰も責任を負わないやり方
でやっています。先進国で唯一バカみたいな規制を続け、鎖国同然でやってきて円は投げ売られ、経済はボロボロなのに政治家は感染症専門家の言うことだけを聞いて経済の専門家は無視と同じ事が原子力でも起こっているわけです。
私個人としては
1 安全点検が終わった原発は次々に動かす
2 安全性の高い小型の最新型に移行していく
というのが基本だと思います。そもそも地震の予測は全く付かないのが現代科学。周期説も全くエビデンスがなくて間違っていた。活断層など分かっているのは10%もないからこんなモノを気にしていたらダムや火力発電所や燃料備蓄基地も作れません。
では誰が原発に反対しているのか
おそらく科学的な判断ができ、経済が少しは分かる人なら原発の再稼働には前向きに検討すべしといっているはずだが、だれがいったい反対しているのだろう。朝日新聞の調査が分かりやすい。
朝日新聞なので回答は左に寄る傾向があるが、
いまだ反対の人が賛成を上回る。が、その差はかなり詰まってきた。おそらく日経や読売の調査なら拮抗するか逆転していることと思う。
新聞の調査は結局のところ回答するのが高齢者ばかりになってしまうのでいくら偏差を調節しても高齢者の意見が反映されがちだが、この調査は男女別と年代別があった。
なんと
男性は再稼働が反対を上回る
女性は圧倒的に反対が多い
という結果である。男女で分けるのはあまり好まないが、日本の場合、女性は専業主婦やパートが多く社会で全開で働いている人の比率が低い。テレビの視聴者も全年代で女性のほうが男性より多い。リテラシーも女性の方が低めだろう。
そしてこれが決定的だが
もっとも再稼働に反対なのは70歳以上
再稼働に賛成なのは18-29歳
と、明確に
高齢者ほど再稼働に反対する
という傾向がある。コロナ対策でも同じだが、高齢者は将来よりとにかくいまを乗り切りたい。将来日本がどうなっても自分はもういないということで、変化を嫌う。特に原発については高齢の女性が主体的に感情論で「怖い」と反対しているという傾向があると思う。停電して産業が止まろうが電車が動かなくて仕事に行けなかろうが、年金で暮らしているのだから関係ないわけです。
こうなると政治家は票田である高齢者を気にして経済対策はどうでも良くなる。新聞の世論調査でも
永遠に鎖国していようという声が過半数です。
政治家は自分の責任で国の将来について判断しないといけないのだが、岸田総理のように支持率しか気にしないのであれば、結局は人口の多い「先を考えずリテラシーの低い高齢者」の志向に沿うことになる。
●日本は高齢者独裁
●政治は高齢者の意向に沿う
●高齢者はリテラシーが低くテレビに洗脳
●テレビは高齢者ウケのする番組を作る
という悪循環。本当に日本は滅亡に一直線ですよ。
編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2022年3月22日の記事より転載させていただきました。