日銀同意人事には反対、日銀法改正の議員立法を提出

こんにちは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。

本日、私は参議院・外交防衛委員会にて長時間の質疑を行っていた(動画)のですが、衆議院の方で大きな動きがありました。

マクロ経済政策(金融政策)に大きな影響を及ぼす日銀政策委員会・審議委員の同意人事には、維新は反対票を投じました。続く参議院でも当然、反対の予定です。

政府から提示された黒田氏・田村氏という2名の人選。

そもそもこうした「国会同意人事」については、政府側から詳細な理由が明かされることはほとんどなく(高い見識を有している云々という一般論しか開示されない)、過去の発言や著作などから政策志向を探る他ありません。

岡三証券グローバル・リサーチ・センター理事長の高田創氏は、過去に消費税増税に積極的な賛同姿勢を示すなど、財務省の意向に強く沿う傾向が見られます(「国債村の住人」とも指摘される)。

現在の金融緩和についても、「出口戦略」に関する著作を上梓している方です。来年に任期を迎える黒田総裁後に、金融政策を転換するための地ならしではないかと言われるゆえんです。

単純な「財務省陰謀論」に与する立場ではありませんが、二度の消費増税で景気回復を腰折れさせたことは明確な失敗であり、こうした経済観を持つ方をこの局面で任命することは疑問です。

もう一方の三井住友銀行上席顧問の田村直樹氏は、そもそも調べられる限りで公の場で発言している記録がほとんど存在せず、その見識や経済観はまったく不明となっています。

いわゆる「メガバンク枠」の持ち回りであり、そもそも日銀の政策次第で大きく経営が左右される銀行から「当事者」を審査委員として入れることが間違っているのではないでしょうか。

上記のような疑念を解消するために、国会の場で質疑をしてみても、個々の任命理由については「人事案件だから」という言い訳によって具体的な回答を得ることができず、賛成に足るだけの理由を見つけることはできませんでした。

重要な国会同意人事については、政府側が詳細を明かさず「白紙委任」を求めてくるような現状は不適切であり、米国のような公聴会制度(任命予定者に国会議員たちが直接質疑をする機会を設ける)を導入検討すべきではないかと改めて思います。

維新、日銀法改正案を提出 NHK分割法案も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA243TW0U2A320C2000000/

同時に維新は反対するだけではなく、日銀法の改正案を提出しました。

これは日銀の目的として「物価の安定」のみならず、「名目経済成長率の持続的な上昇」と「雇用の最大化」を明確に規定したことが最大の特徴です。

日銀がその手法において政府から独立性を保つことは重要ですが、大きな目標についてはしっかりと政府と共有し、そこに向けて金融政策・財政政策を車の両輪として走らせていくことを、しっかり法的面からも担保していくことを狙います。

残念ながら日銀同意人事は、反対するかと思われていた政党も含めて賛成多数で可決となってしまいましたが、議員立法の審議入りも含めて引き続き衆参両院で闘って参ります。

それでは、また明日。

Manakin/iStock


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2022年3月24日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。