「忙しい」と感じる原因はどこにあるのか?

「忙しい」という字は心を亡くすと書きます。忙しく感じると言う事は、心ここにあらずの状態で、自分が本当にやりたいことに集中できず、もどかしい状態にあることを意味します。

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2012年に資産デザイン研究所を立ち上げてから、まもなく10年になろうとしています。

設立当初はセミナー、講演、書籍執筆等で予定を詰め込み、また目黒に住んでいたため、移動にも今よりずいぶん長い時間がかかって、多忙な日々を送っていました。

最近は、資産運用のウェイトが高まり、自分の時間を使う仕事の比率が減りました。お金に働いてもらえるようになったのです。にもかかわらず、ここ数年さらに忙しくなってきたように感じます。

なぜなのでしょうか?

まず考えられるのは、仕事に対する処理能力が落ちてきている可能性です。同じことをするのにも以前よりも時間がかかれば、仕事量を減らしても仕事に取られる時間は変わりません。

あるいは、仕事と遊びの境界線のような時間を費やすことが増えたことが原因なのかもしれません。

ここ数年は新しい仕事をヒントや、情報を得るために、できるだけ幅広い分野の人たちと先入観を持たずに会うようにしています。

実際そこから新しいビジネスが生まれたり、投資アイディアにつながったりしています。

しかし、人と会うのには時間がかかります。特に、ビジネスミーティングではなく、人間関係を構築するのが目的の場合、会食をしたりワインを飲んだりと長時間になることが多いのです。

自分では楽しんでいるつもりですが、スケジュールが入れば、その分自由な時間もなくなり、忙しいと感じるようになってしまうのです。

意識して何もしない時間を作らなければ、次から次へとスケジュールを入れてしまい、結局いつも忙しいと感じてしまう悪循環に陥ります。

自分にとって心地よい状態を実現するのに必要なのは、優先順位を決めて「捨てる勇気」を持つこと。

ライフスタイルを再び見直す時期に来ていることを感じます。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2022年3月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。