今回は科学技術の発展とともに人々の認識が変わって行くというお話です。
今年になってから住宅地での薪ストーブでの煙害にお困りの方々が大勢いることがわかりました。薪ストーブから出る煙は、一説によるとタバコの煙よりも人体に悪い影響を及ぼすということで、ここ20年ぐらいで世界中で起こったタバコ排斥(?)運動のように、これからは住宅地での薪ストーブや暖炉の使用が厳しく規制されると予測しています。
「大気汚染が酷い薪ストーブをエコだと売り込む朝日新聞」 アゴラ
冒頭の松田聖子さんの大ヒット曲「赤いスイートピー」では、「タバコの匂いのシャツに寄り添う」という今ではとても考えられないフレーズが登場します。当時松田聖子さんのファンだった僕も、この曲に感化されて1980年代の大学時代タバコを吸って、女の子にモテようとしたことをここに告白します。
タバコの健康被害が科学的に証明された後、タバコを吸って周りに迷惑をかける人は悪魔だといわれ、法的規制もすごく強化されました。多分現在の若者でタバコを吸う人は異性にもモテないと思います。
タバコと同じく、薪ストーブや暖炉の煙によって、世界中で多くの人々が亡くなられています。
池田信夫さんの記事によると「世界では11億人が電力なしで暮らしており、30億人が薪や木炭を料理や暖房に使っている。WHOの推定では、毎年380万人が木材の煙による室内汚染で死亡しているのだ。」
ということで、いまや大気・水質・土壌汚染による公害を技術で克服した先進国の住宅密集地で、薪ストーブを使用するのは完全に時代に逆行していると思います。
ということで、他人の薪ストーブの煙で煙害に遭っている方々の健康を守る必要があります。趣味の薪ストーブは、誰にも迷惑をかけない田舎で楽しむべきではないでしょうか。そして、時代と科学技術の進歩とともに、法律も常にアップデートしていく必要があると思っているところです。
「暖炉や薪ストーブは脱炭素化に貢献するので、積極推進・・・んなわけない、というお話。」
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動画のノギタ教授は、豪州クイーンズランド大学・機械鉱山工学部内の日本スペリア電子材料製造研究センター(NS CMEM)で教授・センター長を務めています。