「ロシア脳」のまちがいだらけの戦争論

アゴラ編集部

一時は橋下徹さんが世の中の批判を一身に浴びていましたが、最近はおとなしくなり、その代わりにロシアの立場を代弁する人がたくさん出てきました。中でも大前研一さんが自分でロシア脳と名乗ったのはおもしろい。

ところが、この記事は事実誤認だらけ。正しい部分をさがすのがむずかしいほどで、かつて大前ファンだったウクライナ研究者の岡部芳彦さんも怒っています。

大前さんのように「この戦争をやりたがっているのはアメリカの軍産複合体だ」という話は、ロシア脳の人々によくある陰謀論です。

鳩山さんは、開戦前にアメリカのブリンケン国務長官がプーチン大統領に戦争の回避を呼びかけ、中国にまで仲介を依頼していたことを知らないんでしょうか。

安全保障の専門家(と自称する人)まで「史上最も卑怯な代理戦争」などと言っていますが、新聞も読んでないんでしょうか。

確かにアメリカ側の情報に依存する「アメリカ脳」はよくないが、それを批判する「ロシア脳」の人々の脳には、明らかな事実も見えない(あるいは見ようとしない)深刻な欠陥があるような気がします。

ただロシア脳の人が共通にいう「NATOの東方拡大」はむずかしい問題で、専門家の中にも議論のあるところです。これについては、アゴラにも書きましたが、みなさんからも意見を投稿してください。