「ロシアより与党が許せない」トホホな憲法論議

きのうは憲法記念日でしたが、相変わらず与野党のワンパターンの議論が繰り返されました。あきれたのは、憲法審査会の野党筆頭幹事の「ロシアより与党が許せない」という発言でした。

奥野氏は、ネット上で集中砲火を浴びてあえなく撤回。

第9条をめぐる議論は空洞化しています。

そんな中でちょっと実質的な議論があったのが、緊急事態条項でした。

相変わらずマスコミにはこういうヒステリックなあおりが多いが、憲法審査会では冷静な議論が進められています。

戦争だけでなく、災害や感染症への対応でも、内閣が一時的に私権を制限することが必要な場合は出てきます。その発動条件を具体的なポジティブリストで厳格化するとか、裁判所の令状や国会の事後承認を条件にするとか、歯止めをかける制度設計は可能です。政令だけで私権制限できる現行の規定のほうが危険ではないかという意見もあります。

国会議員の任期延長には、与野党にもそれほど大きな対立はありません。

この他にも参議院は必要なのか、あるいは衆議院の優越が明確でないといった国会制度の問題もありますが、国会議員のみなさんはふれようとしません。憲法といえば「戦争への道か人権擁護か」といったお決まりの議論は、そろそろ終わりにしてはどうでしょうか。