市場を萎縮させない運用と実態把握を
こんにちは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。
本日、参議院でも経済安保法案が可決され、国会もいよいよ残すところあと約一ヶ月ほどとなりました。
本日は消費者問題特別委員会にて、NFT(ノンファンジブルトークン)について消費者庁所管である「景品表示法」の観点から取り上げました。
「替えが効かない唯一無二であること」を「ブロックチェーン技術を利用して証明」する技術であるNFT。
アート、ゲーム、そしてメタバースなど幅広いジャンルや空間で活用され、市場も活発化してきたところですが、法整備やその運用が様々な点で課題となっています。
その中の一つが、消費者庁が所管する「景品表示法(景表法)」。要はガチャなどの有料課金をした際に、いわゆる「おまけ」でNFTアイテムが支給されたとき、それはどういう扱いになるの?という点です。
NFTアイテムの場合、「おまけ」として無料で配布したつもりのものが、あっという間に思わぬ価値を持ってしまうということがあります。
その場合、「おまけ」の価格は本体価格の一定額以内という景表法上の制限に抵触するのではないか?などの懸念が利用者や業界から持たれていたわけですね。
参考:
景品に関するQ&A
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/faq/premium/
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結論から言うと答弁としては、個別ケースはそれぞれの判断で一般論という前置きの上で、
・おまけのNFTアイテムも、景品法条の景品として該当しうる
・ただし、二次流通(もらった人が他の人に譲る)場合に価格高騰したとしても、それは景品法上の制限には抵触しない
ということでした。
NFTの難しいところは、これまでのネットオークションとスピード感が段違いに異なり、前述のようにあっという間に価値がついたりするところで、
「価値がつくと事前にわかっていて、NFTアイテムを流通させたのではないか」
という疑念が生じたりします。明らかに確信犯でそのような仕掛けをしたエビデンスがあれば話は別でありましょうが、一般的にはおまけのNFTアイテムが(二次流通で価値がついた場合に)景表法上の制限を受けることはなさそうです。
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NFTは新しい技術と市場であり、何が法に触れて何が合法なのか、利用者も事業者も慎重に見極めている状態にあります。
こうした消費者問題担当大臣からは明確なメッセージを出すべきという質問に対しては、
「NFTは私自身も我が国のイノベーションの源泉になる大事なものだと考えている」
「事業者を過度に萎縮させないように、実態や事実関係に即した法運用を心がけていく」
旨の答弁がありました。
私からはNFT市場における実態やその課題について、海外の先進事例も含めて消費者庁が主体的に情報収集にあたっていただくこともお願いしました。
今後もWeb3やメタバース、そしてそれを支えるブロックチェーンやNFTといった技術・概念について、折に触れて取り上げてイノベーションの一助となるよう政策提言を続けてまいります。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2022年5月11日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。